将来のまちを考える滋賀県懇話会報告
平成12年3月31日

【はじめに】

 将来のまちを考える。
 将来の市町村を考える。
 分権時代にあって、このことは住民一人ひとりの務めである。務めだが、もちろん苦役ではなく、むしろ喜びを伴うものではないだろうか。なぜなら、地域の人々がひとつになって考えたことが実現される仕組みをつくろうというのが、地方分権の基本だからである。
 現在の市町村の姿は、大部分が昭和30年代に形づくられた。今、市町村を取り巻く情勢は、その頃に比べて大きく変化してきている。住民の行政ニーズは高度化、多様化し、日常生活圏が行政区域を大きく越えているのが現状である。その一方で、国・地方全体を通じ、巨額の借入金を抱え、その財政運営は将来に向かって決して楽観視できない。私たちの将来のまち、市町村をどのように考えていくことができるのか、真剣に議論されなければならない時なのである。

 本懇話会は、滋賀県知事から本県における新たな市町村体制についての提言を求められ、平成11年8月から5回にわたって集中的に幅広い議論を重ねてきた。  本報告は、その集約であり、今後、分権型社会における市町村行政について広く議論が行われる際の参考になると思う。テーマがテーマである故、委員の間で合意に達しなかった点もある。すべての点で集約がなされ、一つの考えを示したものではなく、両論あった考え方はそのまま報告に記載している。どのような視点で、どのようなことを考えることができるのか、あるいは考えなければいけないのか、ひとつの提案として情報を提供するものである。

 将来のまちのあり方を考え、実行する主役は、住民であり、市町村である。これをもとに県民の間で将来のまちのあり方についての議論が深められることを期待したい。
第1 分権時代の到来

1 分権型社会における市町村行政のあり方

 平成11年7月8日に「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律」(地方分権一括法)が成立し、平成12年4月1日から施行される。地方分権は、その確かな実現に向けて第一歩を踏み出すこととなる。地方分権のめざすところは、地域社会の多様な個性を尊重する住民主導の自立的で総合的な行政システムを構築することであり、そのことを通じて「真の安らぎと豊かさ」を実感できるまちづくりを実現することである。

 分権型社会にあっては、住民に最も身近な基礎的自治体としての市町村の役割が大きくなり、市町村自治が拡充する。市町村は、地域において必要とされる公共的サービスや住民の要望に応えられるだけの行政能力を持つことが不可欠となり、効率的な行財政運営や政策形成機能の強化を図っていく必要がある。
 また、交通、情報通信手段の発達による住民の日常生活圏の拡大に伴い、従来にも増して広域的なまちづくり、すなわち現状の市町村の枠を越えた取り組みの必要性が高まってきている。

 滋賀県地方分権推進指針(平成11年7月)は、「自立と協働」を基調とした分権型社会の創造を掲げている。本懇話会では市町村の自立とは、少なくとも
(1) 基幹的な行政サービスを提供できること。
(2) 地域の課題に主体的に取り組み、解決に導く政策が形成できること。
(3) 健全な財政力が備わること。
という3つの側面があると考える。
分権型社会においては、住民に最も身近な市町村において地域の課題の解決を完結して行える体制を整えることが望ましいのである。
2 県内の市町村行財政の現状と広域的対応

(1) 市町村行財政の現状

 県内の市町村の規模や体制は人口2千5百人から30万人まで、また面積7.8km²から300Km²まで、あるいは一般行政の職員数でも40人から1300人まで実態として大きな開きがある。
 多くの町村においてごみ処理や消防、医療など住民に直結する基幹的な行政サービスを自前で実施するには至らず、近く導入される介護保険についても認定審査を共同で実施するところが多い。
 また、一般的に環境政策一般部門の専任組織を設置するのは人口3万人程度以上、女性に関する施策の専任組織を設置するのは、人口10万人程度と言われているが、本県でも概ねそうした傾向にあり、小規模の町村では専門性を有する職員の配置が十分なされていない。
 こうした状況では、地方分権で権限委譲が進む中で、地域の実情に適した政策を立案、実施するという政策形成能力の向上が期待しにくいと言わざるをえない。そればかりか、小規模町村では職員一人でいくつもの事務を担当し、現在の業務で手いっぱいで、新しい政策づくりや事務事業の見直しに割く時間的、物理的な余裕が十分あるとは言い難い。

 さらに、県内市町村の財政状況をみると財政構造の弾力性を示す経常収支比率は年々悪化してきている。地方債発行額の残高も年々増加し、平成10年度末で歳出総額4,927億円を上回る5,079億円に達し、将来にわたる財政負担となってきている。

※ 経常収支比率とは、財政構造の弾力性を示す比率として使われ、人件費、公債費等の経常経費に地方税、
地方交付税など経常的な一般財源の収入がどの程度充当されたかを示す。

 一方、市町村の歳入は地方交付税や地方債など依存財源が46%を占めている。この数値は全国的にみれば、低い方であるが、それでも地方財政制度全体の枠組みの中で好転させることは難しい状況となっている。財政規模の小さい市町村では、今後の行政需要に柔軟に対応することには不安がある。

 このように現在の市町村すべてが分権型社会において求められる「自立した」自治体としての条件、(1)基幹的なサービス提供、(2)政策形成能力、(3)健全な財政力を十分満たしているとは言えない。

(2) 広域的対応の現状と課題

 こうした現況に照らして、従来の市町村を越えた広域的対応が有効と考えられる。その方法としては、広域行政と市町村合併の2つがある。
広域行政は、現在の市町村の枠組みそのものは変えずに一部の事務を複数の市町村が共同して行うものであり、平成11年11月高島郡において設置された広域連合や従来から各地に設置されている一部事務組合を中心に広く実施されている。現在、県内には湖西広域連合と36の一部事務組合があり、すべての市町村はいずれかの構成団体となり、主にごみ処理や消防、病院など住民に直接関わるサービスを提供している。これらの広域連合や一部事務組合の他に、地方開発事業団や協議会制度、介護保険認定審査会など機関の共同設置がそれぞれ活用されている。

 一方、市町村合併は、市町村の枠組みそのものを大きくするもので、明治、昭和の大合併を経て、昭和42年の旧堅田町、旧瀬田町と大津市の合併、昭和43年に行われた旧稲枝町と彦根市の合併を最後に最近では行われていない。
 今後の市町村の広域的対応をどうするかを考えると、広域連合や一部事務組合の形で現に取り組みが進んでいる広域行政と最近では事例がない市町村合併とを同列には論じにくい。広域行政についてはその充実を図ること、市町村合併については、合併の意義や考え方について議論や検討を始めることが課題になる。


第2 広域行政の展開

1 広域行政の充実に向けて

 本県において、現在、一部事務組合を中心にごみ、消防、病院などの事務の共同処理が広く行われ、一定の成果が上がっているが、より高度化する住民ニーズに応えていくためには、業務の体制の強化・充実が必要である。また、ほぼ同じ構成市町村により事務ごとにいくつもの一部事務組合が設置されている現況では、事務の合理化、効率化の観点から地域の総合的な一部事務組合として統合化や複合化をしていくことも必要である。

 一部事務組合は、住民にとっては間接的であるがためにその存在や内容がわかりにくく、複数の市町村の共同体ということから責任の所在が不明確となりがちである。また、いくら規模が大きくなっても扱う事務はもともと構成市町村の担うものであるので、新たな権限を得ることはできない。こうした点を改善したのが広域連合である。現在の一部事務組合は可能性があれば、広域連合に発展させる方向も探るべきであろう。

 本県では昨年11月に湖西広域市町村圏事務組合(一部事務組合)が湖西広域連合に移行し、県内で初めて広域連合が設置された。湖西広域連合では全国の他の広域連合と同じように議員、連合長は間接選挙により選出されている。また、現時点では、国や県からの権限委譲はおこなわれていない。今後においては、広域連合の制度を積極的に生かし、分権時代にふさわしい広域行政の推進を図ることが期待される。

 なお、広域連合にしても一部事務組合にしても、議会における審議のほか、各市町村議会での審議や市町村間での連絡調整といったことに相当の時間や労力を要するために迅速・的確な意思決定を行うことが困難で、事業実施等に支障を生じる場合も見受けられる。

□広域連合が一部事務組合に比べて制度的に充実されている点

 ア 国や県の権限委譲を受けることが可能

 イ 広域計画の実施に係る構成団体への勧告

 ウ 条例制定・廃案、リコールなどの直接請求権

 エ 議員、連合長は直接選挙または間接選挙による(一部事務組合は、選挙または選任による)

□湖西地域懇話会において提案された湖西広域連合の活性化に向けての視点

 ◯ 新しい広域的な機能をもたせられるか。
   町村がどこまで広域連合に権限を持たせられるのか。
   また国や県から今後、どんな権限を受けるのか。

 ◯ 郡内全体の責任を持ったプランニングができるか。
   広域計画の策定により郡内全体のプランニングがどこまでできるか。
 
 ◯ 高島郡6町村全体の意志決定システムをどうするか。
   中期的な課題として、連合長および連合議会議員の直接選挙が導入できるのか検討することも必要。
   また、住民団体などの意見が広域プランニングに反映されるシステムを作れるか。

 <将来のまちを考える湖西地域懇話会報告より>

2 広域行政と市町村合併の関係

 広域行政は現在の市町村の枠組みを維持したまま必要に応じて事務を広域で共同処理するものであり、市町村の枠組みそのものを大きくしようとする合併に対し、導入が相対的に容易であり、現在ある課題について広域的な対応を図ろうとする場合は、有効な手法である。特に、処理、対応の方向がある程度決まっているときには非常に有効である。
 しかし、これから発生するであろう課題や政策的な取り組みに対しては、対応が難しい。一部事務組合では制度上の担保がない。広域連合では、広域計画に基づき関係市町村に対する勧告を出すことができ、直接選挙制度の導入と併せ積極的に制度を活用すれば、将来の課題に対しても対応が可能となるが、この場合にあっても関係市町村が同意に達することが前提であり、独自の地域政策を形成するには多大の時間とエネルギーを要することになる。

 これから先の行政のあり方や地域の様々な物事を住民の参画のもとに包括的に決定していくためには、広域行政の枠組みの論理では収まりきらない。社会の体制が変わろうとするとき将来の市町村体制が現在のままでよいとは言えない。分権型社会の担い手として、市町村が自らの責任と決定で総合的な行政を展開していく上では、その選択肢として市町村合併が考えられるべきである。  なお、市町村合併と広域行政はそもそも次元の異なるテーマであり、広域行政の議論を深めれば合併に進展するわけではないとする意見と、直接選挙制度の採用などにより広域連合がさらに進んだものとなれば、合併に移行する可能性があるとする意見の両論があった。



第3 将来のまちづくりと市町村合併

1 市町村合併に関する基本的な考え方

(1) 市町村合併の意義
 市町村合併の意義は、何よりもまず住民の視点でとらえなければならない。
 住民にとっては、市町村合併を通じて、行政サービスの充実に加え、選択の幅の広い、多様な機能をもつまちの形成を期待することができる。例えば、これまではいずれの市町村においてもひと通りの施設、機能を揃えるというワンセット主義の傾向があったが、より広域の視点から機能分担と地域の個性化が図られ、それらがほどよく調和した地域が作られていくことになる。また、ポテンシャルの高い地域が一体となり新しい勢力圏を形成する場合は、これまでにない魅力と特色が生まれ、地域内外の人々を惹き付けることが可能となる。
 市町村はこうした住民の視点を大切にしながら、地域の総合的な経営主体にふさわしい体制を整えなければならない。市町村合併を通じて、スケールメリットを追求することにより、財政運営の健全性、弾力性を確保するとともに所管組織や担当職員の専門性を確保することができる。すなわち、合併で生まれた人的、財政的余力で行財政能力、政策形成能力を高め、より住民に身近で魅力的な施策を展開することができる。
 国や県主導で進められた明治、昭和の市町村合併と異なり、今回議論されている市町村合併は、市町村や住民の自主性、主体性のもとに進められるものであることから、自らの問題として地域の将来を描きそれを達成するための手段として位置づけられる。その意味では、住民と行政のパートナーシップのもとで将来のまちづくりを論じること自体に意義があると言える。
なお、こうした自主的・主体的合併を促進するために国において合併特例法(市町村の合併の特例に関する法律)等により各種の支援措置がとられているが、合併特例法の期限は平成17年3月となっていることに留意しておかなければならない。

国の支援制度

(1)住民発議制度
○ 有権者の50分の1以上の署名をもって、市町村長に対して、合併協議会の設置の請求を 行うことが可能。
○ 全ての関係市町村で同一内容の直接請求が行われた場合には、各市町村長に対し合併協議会設置協議について議会への付議を義務付ける。

(2) 新市町村振興のための施策
○ 合併特例債
新市町村が市町村建設計画に基づいて行う次の事業のうち、特に必要と認められるものに要する経費について、合併10ヵ年度に限り、地方債を充当でき、元利償還金は、基準財政需要額に算入される。
・ 一体性の速やかな確立・均衡のある発展のための公共的施設の整備事業等
・ 地域住民の連帯の強化・旧市町村の区域の地域振興等のための基金の積立
※充当率95% 普通交付税措置率:元利償還金70% 地方単独事業、国庫補助事業が対象

(3) 旧市町村単位の施策

○ 地域審議会
合併前の関係市町村の協議により、旧市町村の区域ごとに、新市町村長の諮問により審 議又は意見を述べる地域審議会を置くことが可能。
○ 合併特例債
地域住民の連帯の強化・旧市町村の区域の地域振興等のための基金の積立について、合併後10ヵ年度に限り、地方債を充当でき、元利償還金は、基準財政需要額に算入される。

(4) その他の財政措置
○ 普通交付税の算定の特例(合併算定替)の期間の延長
○ 合併直後の臨時的経費に対する普通交付税措置
○ 合併関係市町村間の公債費負担格差是正のための特別交付税措置
○ 市町村における合併協議会設置経費等合併準備経費に対する特別交付税措置
○ 市町村合併の推進のための補助金(合併準備補助金、合併市町村補助金)

(2) 市町村合併に際し配慮すべき点

 一方、住民にとって、市町村合併により市町村の規模があまり大きくなるとどうしても住民と行政の間に距離ができることにより、住民と行政の結びつきが心理的に薄れたり、周辺部と中心部の地域内格差が生じたりすることがないか、高齢者や障害者など弱者に目が行き届かなくなってしまうのではないかという心配がある。これらの点では、例えば支所・出張所の設置、公共施設等のネットワークの活用、道路網等交通体系の整備に取り組むほか、地域審議会の設置や公共交通の活用なども検討し、それぞれの実情に応じて地域社会の振興を図るべきである。

 また、県内ではコミュニティや比較的小規模な市町村を単位として、活発なまちづくり活動が展開されており、成果を上げている。こうしたいわば狭域の自治の取り組みを市町村合併により失うことのないような手だてが必要である。
 これとも関連して地域のアイデンティティが弱まってしまうのではないか、あるいは、まちの名称の変更により帰属意識、愛着心が薄れるのではないかといった懸念から合併に対し慎重な意見が複数の委員から出された。個性的な市町村や地域文化、アイデンティティをいかに残していくか、十分に考えておかなければならない。

 平成11年に行われた合併特例法の一部改正では、新たに地域審議会制度が設けられた。この制度は、合併後も地域住民の声を施策に反映させ、きめ細かな行政サービスを実現させるために、合併前の市町村の区域を単位として、必要な地域に地域審議会を置くことができるというものである。こうした制度も活用し、行政が地域に密着した問題を住民の参加や住民との協働の下に解決していくための仕組みを作り上げ、良好な地域社会を形成・維持する必要がある。

(3) 本県における合併の類型

 市町村合併の類型については、行政サービスを効率的、効果的に提供するとともに行政権限の拡大を図るという観点から地方自治制度、都市規模による類型を考えることができる。さらに、地域の特性、地域の自立、自治のあり方などの観点から地域特性による類型も想定することができる。なお、いずれの類型にあっても、当然のこととして行政サービスの充実を伴うものである。

(1)地方自治制度、都市規模による類型
類型例
めざす方向
中核市移行型
(30万都市)
中核市への移行により事務権限の拡大を図り、都市における基盤整備と行政サービスの充実をめざす。
特例市移行型
(20万都市)
中核市に委譲される事務権限の一部を処理できることから地方の中心都市としての行政体制の確立をめざす。
10万都市形成型
全国レベルでみたとき財政効率がよいとされる規模であり、分権型社会にあって十分な役割を果たす基礎的自治体をめざす。
市制移行型
(4万都市)
市制への移行により行政権能の拡大を図り、都市機能の整備充実をめざす。
3万都市圏形成型
本県における人口規模の経済性を考慮し、小規模な郡域を基準として3万人都市の形成をめざす。

<規模に関する主な意見>
・ 人口規模と財政効率化の観点から考えなければいけない。
・ どの程度の規模が一番いいのかということではなく、住民の行政に対する関心の度合いが基本でないといけない。
・ 地方自治体のサービスを全部提供するとすれば30万人規模だと思うが、そこまでは無理ではないか。市町村が提供すべきミニマムな中核的サービスをどのように想定するか、それを提供できる人口規模はどの程度かを考えるのがよい。
・ 12万5千人から20万人くらいが望ましい。これは市民の顔が見える範囲でもある。
・ 地域の一体性を考えると、2、3万人あたりからまとまってくるのではないか。
・ なお、面積に関して、あまり広くなりすぎるとかえって非効率になることもあり、住民の行政に対する関心が薄れたり、きめ細かい施策が行われなくなる恐れがあるので、市町村合併の類型を考える上で面積は主要な要件であるとする意見と、比較的地形のまとまりがよく交通条件の整った本県においては合併を制約する要件にはならないとする意見の両論があった。

(2)地域特性による類型
類型例
めざす方向
一体的生活圏対応型
生活圏に対応した総合的・計画的な地域づくり
流域共同生活圏形成型
河川環境や森林の保全など環境保全を中心に流域生活文化圏の形成
琵琶湖・内湖の保全
地方都市形成型
交流機能都市圏の形成
歴史・文化都市の形成
田園都市の形成
高次都市圏形成型
県土の中枢都市圏域の形成
新たな高次都市圏域の形成
大規模プロジェクト対応型
プロジェクトを核とした一体的な地域整備

<地域特性に関する主な意見>
・ いずれの類型にあってもそれぞれの地域で住民の取り組みをどのように生かしていくかという要素を加味して考える必要がある。
・ 琵琶湖との関連が重要である。
・ 自然、水を共有して発展してきたことを考えると、流域で一体的に考えるべき。これからの進むべき方向として文化創出のためにはそういうものがよいのではないか。
・ この他、具体的な例として、副県心型、環境都市型、新産業誘致型などの提案があった。


2 市町村合併パターン

(1) 地域懇話会の議論を踏まえて
 昨年10月より県内6地域に設置された将来のまちを考える地域懇話会において地域の実情に応じ、それぞれの地域における新たな市町村体制について議論がなされ、本年3月に報告として取りまとめられた。
 各地域懇話会においては圏域の将来像や広域的な課題が示され、それらとも関わって、また生活圏としての結びつきに着目して合併パターンが提案されている。

ア 大津・湖南地域(大津市、志賀町、草津市、守山市、栗東町、中主町、野洲町)

 本地域は、県都を有する県の中枢都市圏であり、人・物・情報が活発に交流し、県内外に発信していく地域である。中でも湖南地域は人口伸び率が高く、人口30万人を超える中核的な都市圏として産業や大学等の集積が図られ、住民や企業が市町の区域を超えて活発に活動している地域である。    地域の将来像として、県全体をリードし、発展に寄与するとともに南湖を囲む求心性のある「自立発展型の都市圏」の形成を掲げている。

□提案されたパターン
Aパターン:中核市へ移行し、60万都市圏の形成をめざす。
     「大津市、志賀町、草津市、守山市、栗東町、中主町、野洲町」
Bパターン:県内第2都市として、60万中核都市への移行をめざす。
      :日常生活圏等の一体性を重視した都市を形成する。
     「大津市、志賀町」「草津市、守山市、栗東町、中主町、野洲町」
    B1:日常生活圏等のつながりを生かし10万都市を形成する。
     「守山市、、中主町、野洲町」
    B2:郡としての一体性を生かして市政移行をめざす。
     「中主町、野洲町」
※それぞれのパターンが段階的に形成される考え方と一気にAパターンやパターンの都市圏が形成される考え方が示されている。
(記号は、他の地域懇話会報告のパターンの捉え方に則して整理し、変更した)
 
イ 甲賀地域(石部町、甲西町、水口町、土山町、甲賀町、甲南町、信楽町)

 本地域は、森林が地域全体面積の70%を占める地域であり、大阪と名古屋のほぼ中間に位置し、古くから交通の要衝として栄え、多くの歴史・文化的遺産を有する地域である。人口の増加率も高く、現在、第二名神自動車道の建設が進められ、条件付きで首都機能移転候補地となるなど開発ポテンシャルの高い地域である。
 報告では、地域の将来像として、県長期構想に示された「良好な自然環境と伝統・歴史文化を生かしながら文化と産業が調和した独自の都市形成を進める中で多方面にわたる交流拠点として発展する地域」を掲げている。

□提案されたパターン
Aパターン:甲賀地域がひとつになって歴史文化の一体性を生かしつつ、都市基盤が充実した15万都市圏の形成をめざす。

Bパターン:地域性を踏まえ、都市基盤、地域アイデンティティのさらなる充実をめざした都市圏の形成をめざす。
     「石部町、甲西町」「水口町、土山町、甲賀町、甲南町」「信楽町」
 
ウ 東近江地域(近江八幡市、八日市市、安土町、蒲生町、日野町、竜王町、永源寺町、五個荘町、能登川町) 
 
 本地域は、県内最大の平野部を有する地域で、恵まれた自然環境と歴史・文化遺産の宝庫である。JR、名神、私鉄など交通条件にも恵まれている。本地域では、近江八幡市と八日市市の2つの中心核を有しつつ、東近江行政組合を中心に圏域の一体性が育まれてきた。 
 地域の将来像として、県長期構想では「びわこ空港の整備を新たなステップとして都市機能が向上し、豊かな歴史、文化資源や田園風景が生かされ、県土の飛躍を支える新たな拠点として発展する地域」とされている。 
 なお、合併パターンについては、湖東地域の愛東町、湖東町は八日市市との結びつきが強いことから両町を加えたパターンも提案されている。

□提案されたパターン
Aパターン:東近江2市7町で「20万特例市」をめざす。
A'パターン:東近江2市7町+愛東町・湖東町
Bパターン:郡単位のつながりと流域間の連携を重視し、2つの都市圏の形成をめざす。
      「近江八幡市・蒲生郡」「八日市市・神崎郡」
B'パターン:「近江八幡市・蒲生郡」「八日市市・神崎郡+愛東町・湖東町」

□他に検討されたパターン案
Cパターン:「JR沿線市町」「内陸部市町」の2つの都市圏の形成をめざす。
      「近江八幡市・安土町・五個荘町・能登川町」
      「八日市市・蒲生町・日野町・竜王町・永源寺町」
Dパターン:圏域で4つの市制をめざす。
      「近江八幡市(単独)」「八日市市・永源寺町」「安土町・五個荘町・能登川町」
      「蒲生町・日野町・竜王町」
 
エ 湖東地域(彦根市、愛東町、湖東町、秦荘町、愛知川町、豊郷町、甲良町、多賀町) 
 
 本地域は、彦根城や多賀大社、湖東三山など歴史文化資源が豊富にあり、琵琶湖と鈴鹿山系に囲まれ、湖東平野が広がる豊かな自然環境に恵まれている。琵琶湖に面しているのは彦根市だけであり、他の町がすべて内陸部という特性もある。本地域の中心市である彦根市の中心地は大きく北に偏り、愛東町、湖東町の生活圏は八日市方面となっている。また、甲良町や愛東町では小規模でも全国的に有名なまちづくりが行われている。 
 報告は、こうした地域特性を生かしながら、一方で広域的連携を図ることにより地域の将来が開かれるとしている。

□提案されたパターン
Aパターン:広域的な行政区域としてのまとまりから16万人都市をめざす。
      「彦根市・犬上郡・愛知郡」
Bパターン:生活圏と郡単位での結びつきを基本に1市1町を形成する。
      「彦根市・犬上郡」「愛知郡」
Fパターン:Eパターンに米原町を含め15万人都市をめざす。
      「彦根市・犬上郡・秦荘町・愛知川町・米原町」
      「湖東町・愛東町・八日市市・永源寺町」

□他に検討されたパターン案
Cパターン:Bパターンをさらに郡単位として1市2町を形成する。
      「彦根市」「犬上郡」「愛知郡」
Bパターン:当地域内の内陸部(彦根市周辺)がまとまり市制をめざす。
      「彦根市」「犬上郡・愛知郡」
Fパターン:湖東町・愛東町の生活圏を重視し、両町と八日市市・永源寺町で市を形成、また彦根市を中心とする圏域で市を形成し、両市の発展をめざす。
      「彦根市・犬上郡・秦荘町・愛知川町」
      「湖東町・愛東町・八日市市・永源寺町」
 
オ 湖北地域(長浜市、山東町、伊吹町、米原町、近江町、浅井町、虎姫町、湖北町、びわ町、高月町、木之本町、余呉町、西浅井町)

本地域は、滋賀県の東北部に位置し、豊かな自然環境に恵まれている。歴史的に東国と北国、畿内を結ぶ要衝の地として発展し、豊かな文化、伝統を培ってきた。住民には「湖北はひとつ」との意識が強い。高齢化率は県平均15.7%に対し20.1%となっており、高齢化の進展した地域である。
地域の将来像は、豊かな歴史文化といった地域資源を活用し、自然との共生をめざすとともに、交通結節機能を生かして交流の舞台づくりを進めていくこととされている。
5つの合併パターン案について検討がなされたが、結論としては具体的な提案はなされていない。なお、湖北地域全体を1市とするパターン案(◆印)が最も望ましいという意見が多数であった。

□提案されたパターン
◆Aパターン:広域的な行政区域としてのまとまりから16万人都市をめざす。
      「長浜市・坂田郡・東浅井郡・伊香郡」
 Bパターン:生活圏と市郡単位での結びつきを基本にして2市2町を形成する。
      「長浜市」「坂田郡」「東浅井郡」「伊香郡」
 Cパターン:長浜市や伊香郡を中心とする生活圏と市郡単位での結びつきを基本にして13万人都市と1町を形成する。
      「長浜市・坂田郡・東浅井郡」「伊香郡」
 Dパターン:市郡単位での結びつきを基本にして10万人都市と6万人都市の2つの都市を形成をめざす。
      「長浜市・坂田郡」「東浅井郡・伊香郡」
 Eパターン:長浜市や坂田郡、伊香郡を中心とする生活圏と市郡単位での結びつきを基本にして2市1町を形成する。
      「長浜市・東浅井郡」「坂田郡」「伊香郡」

(隣接する地域や他県との関係)
 米原市は湖東ブロックと 山東町、伊吹町、浅井町、は西美濃ブロック(岐阜県)と西浅井市は湖西や若狭ブロック(福井県)との関係を考えることができるとの意見もあった。

カ 湖西地域(マキノ町、今津町、朽木村、安曇川町、高島町、新旭町)

 本地域は、滋賀県の北西部に位置し、地域全体の7割強が山林および原野であり、琵琶湖と山岳が一体となって醸し出す魅力的で豊かな自然環境に恵まれている。高齢化率については他の地域に比べ最も高い。買い物や医療施設の利用など日常の行動は域内で行われることが多い。本地域では、昨年11月に県内初の湖西広域連合が設置されいる。
 報告では、広域連合をさらに発展させるのか、近い将来に町村合併を目指すのかは、議論の分かれるところであり、結論は町村関係者や住民の今後の議論に委ねられるとしている。

□提案されたパターン
Aパターン:地域全体がひとつにまとまり、市制移行をめざす。
 

(2) 市町村合併パターンの提案に当たって

 以上の各地域懇話会の報告を踏まえ、県全域の市町村体制のあり方を考える本懇話会としては市町村合併パターンの提案に際し、次の2点を視点とする。

(1) すべての市町村の行財政基盤の充実につながり、自立性の高い地方自治体となるとともに、県全体として均衡ある発展が期待できるパターンとする。
 分権型社会において基礎的自治体である市町村は地域の課題を総合的、包括的に解決できる能力が求められており、自立性の高い地方自治体をめざすべきである。自立とは、第1でも述べたが、(1)基幹的なサービス提供、(2)政策形成能力、(3)健全な財政力という側面からとらえるべきであり、比較的まとまった規模での新たな自治体の形成が考えられるべきである。
 同時に、県全体の均衡ある発展をめざす観点から、特定の地域が時代の流れから取り残されて次世代のまちづくりに支障が生じることがなく、かつ過度の集中により県内で著しい不均衡が生じることがないような、すべての市町村に関わる合併パターンとする。

(2) 分権型社会のスタートに当たり、全県的に住民や市町村が合併に関する具体的な議論を始められるよう、住民の生活圏のまとまりに配慮しつつ大括りの組合せで構成する。

 平成12年4月より地方分権一括法が施行され、分権型社会がスタートする。この時期に合併に関する具体的議論を行うことは今後のわがまちのあり方を問うことであり、その意味では住民と市町村が自己決定の能力を磨く機会とも言える。本懇話会としては、生活圏のまとまりにも配慮しつつ、あえて大括りのパターンを提案し、地域での議論(反論も含めて)が全県的に始まることを期待したい。
 議論の進展に応じてより細分化したパターンが生み出されていくことも十分に想定できる。

(3) 市町村合併パターンの提案

 大津湖南地域については、地域懇話会が提案したうちの段階的な合併は有力なプランと考えられる。また、他県における事例等から市町村合併にはかなりのエネルギーを要すると言われている。こうしたことから大津・志賀地域と湖南地域の2つにまとまり、それぞれが都市圏を形成するパターンを提案する。

 甲賀地域と湖西地域については、その周辺地域との結びつきの観点でいくつかの組合せも想定されるが、「甲賀はひとつ」「高島はひとつ」という住民感情や従来からの広域行政の展開が住民に及ぼしてきた地域の一体性に着目して、それぞれの地域がひとつにまとまるパターンを提案する。

 東近江地域を中心とする地域については、まず、愛東町・湖東町を八日市市およびその周辺地域と一体的地域を形成するものと位置づけた上で、具体的議論の容易さも考慮し、近江八幡市と八日市市の2つの都市を核に流域ごとにまとまり、それぞれが自立した都市圏を形成するパターンを提案する。

 湖東地域については、彦根市を中心に愛東町、湖東町を除く愛知郡、犬上郡がひとつにまとまる15万人程度の都市を形成するパターンを提案する。なお、米原町については、湖北地域全体の交通の要衝、広域的なまちづくりの要として重要な位置を占め、従来からの広域行政(坂田郡広域行政組合)の展開が住民に及ぼしてきた地域の一体性や、郡としてのまとまりに着目するが、住民の生活圏の観点からは、湖東地域との連携も考えられる。

 湖北地域については、地域全体の中で長浜市が中心性を有しており、地域懇話会報告にも示されているように「湖北はひとつ」という住民意識を踏まえ、湖北地域の1市12町がまとまり、全体として自立性の高い都市が形成されるパターンをあえて提案し、議論の深まりを期待する。
 より細分化したパターンを提案すべきであるとの意見もあった。

以上を表に示すと次のとおりである。

市町村の組合せ
該当する合併類型
A
大津市・志賀町 中核市移行型
流域共同生活圏形成型
B
草津市・守山市・栗東町・中主町・野洲町 中核市移行型
高次都市圏形成型
C
石部町・甲西町・水口町・土山町・甲賀町・甲南町・信楽町 10万都市形成型
一体的生活圏対応型
地方都市形成型
D
近江八幡市・安土町・蒲生町・日野町・竜王町 10万都市形成型
流域共同生活圏形成型
E
八日市市・永源寺町・五個荘町・能登川町・愛東町・湖東町 10万都市形成型
流域共同生活圏形成型
F
彦根市・秦荘町・愛知川町・豊郷町・甲良町・多賀町 10万都市形成型
地方都市形成型
G
長浜市・山東町・伊吹町・米原町・近江町・浅井町・虎姫町
湖北町・びわ町・高月町・木之本町・余呉町・西浅井町
10万都市形成型
一体的生活圏対応型
地方都市形成型
H
マキノ町・今津町・朽木村・安曇川町・高島町・新旭町 市制移行型
一体的生活圏対応型

 このパターンを含めて、今後の議論の幅を広げるためにも複数のパターンを提案すべきであるとの意見があった。
  本懇話会としては、全県的なパターンは上記に示すものであると整理した上で、この他の考えを以下に示しておく。 
 
○ 東近江地域について
 「近江八幡市を含むJR沿線市町」と「八日市市を含む内陸部市町」の2つの都市を形成するパターンも考えられる。 
○ 湖東地域について 
 地域懇話会報告のパターン案にあるように米原町を含めた湖東ブロックの合併パターン案も考えられる。 
○ 湖北地域について 
 「湖北1市12町による1市の形成」の他にも現実的な選択肢を議論するためのパターンが複数あってもよい。当該地域懇話会の議論では、郡のまとまりを前提とした組み合わせも検討されたことから、それぞれの地域の中心核をベースに新たな都市を形成するパターンも考えられる。 
○ 全県域について 
 各地域懇話会の報告によると、「中主町・野洲町」や「石部町・甲西町」といった隣接2町のまとまりをはじめ、比較的小規模なまとまりによる都市の形成も議論されている。市町村合併特例法の期限が平成17年3月31日であることを考慮し、それぞれの地域において比較的小規模な都市の形成も議論されるよう、県においてパターンが提案されることを期待する。  

 なお、以上の提案は、本懇話会の立場からの提案であり、各地域懇話会での議論の成果と同じく、今後の議論の素材の一つであることを改めて付言しておきたい。 

 
合併パターン
人口等
合併の意義
配慮するべき事項






○大津市・志賀町
【人  口】308,039人 (H12.1)
【面  積】374.0kF
【高齢化率】14.6%(H12.1)
【財政規模】約953億円
(H10年度歳出)

○人口が30万人を超え、中核市への移行が可能である。
○生活圏が一体的な地域であり、広域行政の実績もあり、住民ニーズにあった行政サービスが展開できる。
○比良山系や琵琶湖を囲む地域として環境保全の取り組みが強化できる。
○南北に長くなることから、それぞれの地域の特性を生かしたまちづくりの展開が必要になる。
○北部の中山間地域の振興が課題となる。






○草津市・守山市・栗東町・中主町・野洲町 【人  口】280,135人(H12.1)
【面  積】206.7kF
【高齢化率】11.8%(H12.1)
【財政規模】約1,023億円
(H10年度歳出)
○県内第2の都市として、高次の都市圏の形成が期待できる。
○20万特例市への移行ができる。数年後には、人口が30万人を超え、中核市への移行が期待できる。
○湖南地域における都市整備や住民活動的な力を引き出すことができる。市単独ではできないプロジェクトが可能になったり、住民相互の交流が活発となる。
○それぞれの地域の特性を生かした都市整備や機能分担が必要になる。
○街道文化や祭りといったそれぞれの市町が持つ固有の歴史・文化の保全や継承が重要である。
○都市的地域と農村地域とのバランスのとれた開発が課題となる。






○石部町・甲西町・水口町・土山町・甲賀町・甲南町・信楽町 【人  口】146,996人(H12.1)
【面  積】552.2kF
【高齢化率】14.9%(H12.1)
【財政規模】約508億円
(H10年度歳出 )
○保健福祉やごみ処理など行政サービスの充実が図れる。
○開発と保全という相反する課題に対して、より総合的・効果的な投資による基盤整備が可能となる。
○重点的な投資が可能となり、地域の中核となる、よりグレードの高い施設の整備や大規模な投資を必要とするプロジェクトの実施が可能となる。
○周辺部には、都会にない自然環境や素朴な伝統・文化が多くあることから、その良さを生かしつつ中心部とのバランスのとれた発展を図ることが課題となる。
○甲賀郡内には、水系が異なる野洲川 (琵琶湖)と大戸川(瀬田川)の2つの 河川があるが、一体性を確保したま ちづくりに取り組むことが課題となる。
○あまりに面積が大きくなり過ぎるため、「人・もの・情報」の交流面の整備が重要である。






○近江八幡市・安土町・蒲生町・日野町・竜王町 【人  口】130,977人(H12.1)
【面  積】298.1kF
【高齢化率】16.9%(H12.1)
【財政規模】約478億円
(H10年度歳出)
○13万人の都市圏が形成される。
○良好な居住環境をもった地方都市の形成が期待できる。○日野川の流域圏として、一体性を生かしたまちづくりの展開が期待できる。
○「湖があり、丘陵地があり、山がある」という意味で、自然風土の多様性を生かせ、それを踏まえた中での地域経営ができる。
○旧蒲生郡を中心にした単位であり、地域への帰属意識を醸成しやすい。
○東西に長くなることから、一体的なまちづくりのためには住民の交流が課題となる。
◯また交流の促進のためには交通体系の整備が課題となる。
◯流域圏をキーワードとした取り組みが有効である。
◯施設の配置に考慮するべきである。また、そのネットワークにも工夫が必要である。
◯中心核となる近江八幡市の位置が北に偏っているため合併の効果が全域に及ぶように考慮するべきである。






○八日市市・永源寺町・五個荘町・能登川町・愛東町・湖東町 【人  口】100,019人(H12.1)
【面  積】348.7kF
【高齢化率】17.7%(H12.1)
【財政規模】約360億円
(H10年度歳出)
○10万人の都市圏が形成される。
○良好な居住環境をもった地方都市の形成が期待できる。
○愛知川の流域圏として、一体性を生かしたまちづくりの展開が期待できる。
○「湖があり、丘陵地があり、山がある」という意味で、自然風土の多様性を生かせ、それを踏まえた中での地域経営ができる。
○東西に長くなることから、一体的なまちづくりのためには住民の交流が課題となる。
◯また交流の促進のためには交通体系の整備が課題となる。
◯流域圏をキーワードとした取り組みが有効である。
◯施設の配置に考慮するべきである。また、そのネットワークにも工夫が必要である。◯内陸部地域では JR沿線地域に比べ高齢化や人口減少が進んできていることから機能分担等に配慮しつつ地域振興を進めることが課題である。






F
○彦根市・秦荘町・愛知川町・豊郷町・甲良町・多賀町 【人  口】150,209人(H12.1)
【面  積】293.5kF
【高齢化率】16.8%(H12.1)
【財政規模】約567億円
(H10年度歳出)
○彦根市を核として、15万人の地方都市が形成される。
○厚みのある歴史・文化資源と集積する大学等高等育機関を生かした新たな文化産業都市の形成が期待できる。
○田園地域と都市的地域の連携を図るなど一体性の強化が課題となる。
○犬上川の流域の一体性を生かしたまちづくりをどう展開させるかが課題となる。
○中山間地域の振興が重要である。
○広域的なまちづくりの中で豊富な歴史文化や自然環境の活用を図っていくことが重要である。






G
○長浜市・山東町・伊吹町・米原町・近江町・浅井町・虎姫町・湖北町・びわ町・高月町・木之本町・余呉町・西浅井町 【人  口】164,508人(H12.1)
【面  積】762.5kF
【高齢化率】20.1%(H12.1)
【財政規模】約755億円
(H10年度歳出)
○長浜市を核として16万人の都市が形成される。産業バランスのとれた地方都市が期待できる。
○豊かな自然、歴史文化を活用した地域づくりの展開が図れる。
○環境と調和した流域共同生活圏の形成が図れる。(天野川、姉川、高時川流域等)
○交流機能を生かした広域的なまちづくりが期待できる。
○地域内の移動等交流基盤の整備が重要である。
○地域特性に応じた機能分担やバランスのとれた地域振興が課題となる。
○特に地域の北部では南部地域に比べ高齢化率が高く、地域内における保健福祉施策のあり方を考慮する必要がある。
○大きくなることで地域の歴史文化や個性あるまちづくりを衰退させない取り組みが課題となる。






H
○マキノ町・今津町・朽木村・安曇川町・高島町・新旭町 【人  口】55,621人(H12.1)
【面  積】511.4kF
【高齢化率】21.7%(H12.1)
【財政規模】約281億円
(H10年度歳出)
○市制への移行を視野に入れたまちづくりができる。
○サービスの高度化、多様化が図れる。
○重点的な投資による基盤整備の推進が可能となる。
○広域的な観点に立ったまちづくりと施策展開が行える。
○行財政の効率化が図れる。
○地域の独自性と文化をどう継続させるかが課題となる。
○中心地と周辺地域の格差をどう是正するかが課題となる。
○新しい住民の参加を促進する仕組みが重要である。祉施策のあり方を考慮する必要がある。
 
第4 市町村・県に期待する役割

 本懇話会は、市町村合併や広域行政についての住民を交えた議論が活性化し、主体的な判断のもとに可能なところから実現に向けて着手されることを願う。
 こうした取り組みの成否は住民の熱意と議会、行政のリーダーシップにかかっており、当事者たる市町村と広域的団体として連絡調整にあたる県は重要な役割を担う。
 懇話会としては、特に次のような役割を期待したい。

□ 住民への積極的な情報提供−市町村・県が共に担うべき役割−

 将来のまちがいかにあるべきかを真剣に考える気運を醸成し、住民の主体的な議論をおこしていくためには、市町村、県とも、市町村合併や広域行政に関する多角的な情報を積極的に提供することが期待される。
 その際には、住民が容易にイメージできるような具体的な情報が必要である。また、財政基盤の脆弱性など厳しい現実に関する情報なども出さなければ的確な判断には結びつかないと思われる。   また、そうした情報をもとに議論を深めるための場づくりを行うことが期待される。 なお、合併の合意を得る上で住民投票など直接民意を問う方式が考えられてもよいとの意見があった。

□ 市町村の役割

 そのほか、市町村には、分権型社会の担い手であることを自覚し、自らの将来像はいかにあるべきかについて、合併の選択肢も含めて住民参画のもとに具体的に検討することが期待される。
 合併後のわがまちの姿を描く際には、保健福祉やごみ処理などの基幹的なサービスの充実のための施策や良好な地域社会を維持・形成していくための方策を示すとともに、併せて公共施設や交通の利便性の検討も行うべきである。地域審議会についてもあらかじめ具体的な組織や権限などについて研究し、活用方策を探っておくのがよい。
 また、住民の意思を代表する議会おいて十分議論を深め、具体的な検討を行うことが極めて重要である。

□ 県の役割

 また、県には、市町村に対し合併に伴う財政上の優遇制度などを十分に説明したり、具体的なシミュレーションを行い、提示するなど、必要な助言を行うことが期待される。
 さらに、市町村合併や広域行政の問題に関し市町村とのコミュニケーションを図り、必要な調整を迅速に行うことが期待される。