掲載日:2007年4月
森林保全課森づくり推進担当
森林病害虫等被害は、ナラ枯れやマツ枯れの昆虫、線虫、菌類が原因となる被害と、ニホンジカによる剥皮被害が大部分を占めています。
これらの森林病害虫等による被害が発生することで、森林の多面的機能が低下する恐れがあるため、被害が確認された場合は、そのまん延を防止するために諸対策を実施していきます。
県内のナラ枯れ被害は福井県境付近で1980年前後から発生しており、1990年頃から県北部地域で目立つようになってきました。
最近では、県北部地域の被害は減少傾向、被害の中心は徐々に南下し、県中部地域から県南部地域へと移る傾向にあります。
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平成22年(2010年)8月撮影近江八幡市 |
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※被害が確認された市町
平成22年(2010年)8月現在
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ナラ枯れの被害を受けてから3〜4年間は景観上の問題がありますが、全てのナラ類が枯れることはなく、下層にある幼齢のナラ類や常緑樹が生長することによって、その後には終息に向かい森林の諸機能が大きく損なわれることはないと考えられています。
平成22年のナラ枯れ被害面積(12月末現在)は昨年度を上回りました。現在、県内のナラ枯れ被害は南下していく傾向にあります。

最新の市町別の被害面積は滋賀県森林・林業統計要覧をご覧下さい。
ナラ枯れは、病原菌による伝染病です。カシノナガキクイムシがナラやカシ類の樹木に穿入することにより、病原菌が樹体内に伝播され、樹木内では根から吸い上げた水の流動が止まり、感染木は水切れ症状を起こして、まもなく葉が変色し、枯損します。
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引用:「里山に入る前に考えること」(独立行政法人森林総合研究所関西支所) |
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ナラ枯れは、高齢の大径木が被害を受けやすいという調査報告があります。1960年代以降、燃料の多くは里山から生産される薪や柴、木炭から化石燃料へと変わり、いわゆる里山林は伐採されることなく放置されてきました。この結果、生長の早いコナラなどの高齢化、大径化が進み、カシノナガキクイムシの繁殖に適した環境になったことに加えて、枯損木が放置されて翌年の被害増加につながっています。
| 伐倒駆除 | 被害を受けた木を切り倒して薬剤処理や持ち出しによって被害の拡大を防ぐことができます。被害区域が特定できる公園の周辺などに有効ですが、奥地で集団発生した場合は駆除が困難になります。 |
| 樹幹注入 | カシナガが穿入する前に殺菌剤を注入してナラ菌の繁殖を防ぎ、枯死することを防ぐ方法です。 |
参考文献
「ナラ枯れの被害をどう減らすか」(独立行政法人森林総合研究所関西支所)
「里山に入る前に考えること」(独立行政法人森林総合研究所関西支所)
マツ枯れ被害は、昭和40年代から増加し、昭和60年ごろに県下で約1万haのマツ枯れ被害のピークを迎えました。その後、平成6年頃に2度目のピークをむかえて以後被害は徐々に減少する傾向にあります。

最新の市町別の被害面積は滋賀県森林・林業統計要覧をご覧下さい。
松くい虫(マツクイムシ)被害は、マツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウの2種の共生関係が原因となるマツ材線虫病によりマツの木が枯死する現象です。
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引用:「里山に入る前に考えること」(独立行政法人森林総合研究所関西支所) |
| 伐倒駆除 | 松くい虫の付着により枯死、または枯死にひんしている樹木について、チェーンソー等を利用して伐倒し、その後、薬剤の散布、枝条・樹皮の焼却をします。 | ![]() |
| 特別伐倒駆除 | 松くい虫の付着により枯死、または枯死にひんしている樹木に対して、伐倒および破砕をします。 | ![]() |
| 地上散布 | 松くい虫が付着するおそれのある樹木について動力噴霧器等を利用して薬剤を散布し、マツの枯死を予防します。 | ![]() |
| 樹幹注入 | マツの生立木に樹幹注入剤を施用することにより、松くい虫が運ぶ線虫類による枯死を予防します。 |
ニホンジカによる森林被害は平成12年ごろから急激に増加し、県内の森林に深刻な影響を与えています。
植栽後間もない稚樹の食害や成木の剥皮被害など樹木に対する直接的被害に加え、近年は森林の下層植生の食害によって生物多様性への影響や土壌露出による土砂流出の危険性などが問題になってきています。
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▲ニホンジカによる剥皮害 |
▲ニホンジカによる剥皮害 |
最新の市町別の被害面積は滋賀県森林・林業統計要覧をご覧下さい。
| テープ巻き | ビニールテープを林木の樹幹に螺旋状に交差するように巻きつける。 | ![]() |
関連リンク
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