ホーム > 県政eしんぶん > 2008年7月8日号 > 琵琶湖から新属、新種の原生生物を発見しました!

提供日:2008年7月8日
今回、滋賀県立琵琶湖博物館、オーストリア・ザルツブルク大学、宮城教育大学の研究グループが、琵琶湖から新種の繊毛虫(原生生物:ゾウリムシの仲間)を発見し、新属、新種として、国際原生生物学会が発行する学術雑誌、ジャーナル・オブ・ユーカリオティック・マイクロバイオロジー(Journal of Eukaryotic Microbiology)に報告しました。
琵琶湖博物館では、2006年から実施している分類学の総合研究において、楠岡泰主任学芸員(当館)、ウィルヘルム・フォイスナー教授(ザルツブルク大学)、島野智之准教授(宮城教育大学)が共同で、琵琶湖にて繊毛虫類の調査を行いました。その結果、琵琶湖博物館近くの烏丸半島の湖岸から、これまで記載されているものとは異なるコレプス科の新属の繊毛虫を採取しました。
この研究班が、繊毛虫の形態や遺伝子(リボゾーマルRNA)の解析を行ったところ、後部の棘がないことや、尾部の繊毛の数が平均7本と多いこと、リボゾーマルRNAの遺伝子配列が他のコレプス科の属と異なることなどから、新属、新種であると判断し、レビコレプス・ビワエ(学名Levicoleps biwae Foissner, Kusuoka and Shimano, 2008)と命名しました。
属名Levicoleps の語源はラテン語の“levi”(滑らかな)とColeps(同科のコレプス属)を合わせたもので、棘がない特徴を表しています。種名の“biwae”は(琵琶湖の)という意味です。
琵琶湖は400万年もの歴史をもち、古代湖の一つです。同じ古代湖であるロシアのバイカル湖やアフリカのタンガニーカ湖からは、コレプス科に属する固有の属が報告されています。今回発見された新属のコレプスは、遺伝子配列の解析から、これらの古代湖の固有種と同様に、古い時代に成立した種類だと考えられます。今後、古代湖における種の分化について、研究するための貴重な材料になると期待されます。

光学顕微鏡による Levicoleps biwae の生体写真。
写真提供:宮城教育大学

走査型顕微鏡による Levicoleps biwae の写真
(バーは30μm)。 左の王冠状の部分が口。
写真提供:ザルツブルク大学