
部局名:琵琶湖環境部
所属名:琵琶湖環境科学研究センター
担当名:琵琶湖環境研究部門
担当者名:石川(俊)
電話:077-526-4800(代表)
メール:info@lberi.jp
自律型潜水ロボット「淡探」が撮影した琵琶湖北湖90m水深湖底の画像について
滋賀県琵琶湖環境科学研究センターで実施している「自律型潜水ロボット「淡探」を使用した湖底近傍の水質と生物の分布調査」によって得られた湖底の画像から、魚類等の異常と推察される状態が観察されたのでお知らせいたします。
1.概要
- 12月3日〜6日にかけて長浜−今津沖中央付近の水深90m湖盆(北湖第一湖盆)において水質センサーによる5項目の水質測定と下方静止画撮影用カメラによる画像データ約1,900枚の取得を行った。
- 静止画像中、主にイサザであると思われる魚が58個体存在した。
- このうち背部を上に向け、通常の定位を保っているものは16個体であったのに対し、体側部または腹部を上に向け、異常と思われるものが42個体であった。これらは水深90m前後の場所で撮影された。
- エビ類と思われる生物についても同様の異常が見られた。
- これまでに90m湖盆における「淡探」の調査において体側部や腹部を上に向けた魚類やエビ類の画像が取得されたことは無かった。(2001年度以降に毎年同時期実施)
- 湖底付近の溶存酸素濃度は、最低で0.6mg/L(酸素飽和度5%)であった。
- 今後、これらの結果を総合的に解析して本事象についての見解をとりまとめる。
2.調査方法
「淡探」は、調査地点において湖底から1mの高さを保持しながら、1.0ノット(約1.8km/h)で進むように設定し、水質測定用センサー(水温、溶存酸素、pH、電気伝導度、透過率)、下方静止画撮影用カメラ、前方動画撮影用カメラによって、水質、画像データを連続的に記録した。
なお、静止画カメラは15秒間隔で画像を記録した。1画像で撮影される湖底の範囲は29cm×24cmおよそ0.07m2である。
調査地点、日程は次のとおりである。
(図1)
12月2日(日曜日)試験運行(南湖)
12月3日(月曜日)北湖第一湖盆,南北縦断線(水深73m:N1→水深82m:N2→水深90m:N3)
12月4日(火曜日)北湖第一湖盆,南北縦断線(水深90m:N3→水深91m:N4→水深89m:N5)
12月5日(水曜日)北湖第一湖盆,南北縦断線(水深86m:N5→水深86m:最深部東)
12月6日(木曜日)北湖第一湖盆,最深部東および高島沖(水深77m→水深62m:ADCP5)
3.調査結果
詳細については、今後解析を行う予定であるが、現時点での結果は次の通りである。
1.静止画について
- 「淡探」が湖底で取得した静止画は、12月3日に535枚、12月4日に528枚、12月5日に247枚、12月6日に571枚であった。
- 静止画中に魚類と判断できる像が、12月3日は5個体、12月4日は30個体、12月5日は17個体、12月6日は6個体存在した。
このうち、背部を上に向けた通常の位置を保っていたのは、12月3日は5個体、12月4日は4個体、12月5日は2個体、12月6日は5個体であった。
- それ以外の個体については、体側部や腹部を上に向け、異常と思われる状態であった。中には、大きく口を開けたものや
(写真1)、体の一部が失われたものもあった。 外見から判断すると、静止画中の魚の大半はイサザであると思われる。
- 無脊椎動物については、エビ類と推測されるものが体側部を上に向け、異常と思われる状態で魚と同程度の数が撮影された。
2.センサーによる水質について
- 「淡探」が航行した水深(湖底直上1m)の水温は、12月3日に8℃〜11℃、12月4日〜6日には8℃前後であった。溶存酸素濃度は12月3日には1.9mg/L〜7.1mg/L、12月4日には0.6mg/L〜2.4mg/L、12月5日には2.1mg/L〜2.7mg/L、12月6日には2.8mg/L〜5.7mg/Lであった。pHはあまり変化せず6.8前後であった。電気伝導度は0.08mS/cmであった。透過率は80%〜90%であった。
4.今後の対応について
今回の調査により得られたデータを分析・評価するとともに、今後、底生生物調査も実施することとし、これらの結果を総合的に解析して本事象についての見解をとりまとめる。
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