経営革新の取り組み事例株式会社カフィールプラスチックレンズに夢を託して… |
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経営革新計画をはじめた経緯1973年創業。射出成形機を導入し、主に家電製品などプラスチック製品の生産を行ってきた。グローバル化による中国をはじめ海外との価格競争は中小企業にとって脅威であり、何かに特化したものづくりをという発想から、高度な技術レベルを必要とする高品位な光学プラスチックレンズと精密エンジニアリングプラスチック部品に生産をシフトしてきた。プラスチックレンズには湿度に弱いという弱点はあるものの、ガラスでは不可能な複雑な形状・屈折率のものを生産できるという長所がある。精密プラスチック部品の生産には、生産設備の整備と品質管理システムの構築が必要であり、同社がステップアップしていくためにも、経営革新計画の制度を利用することは有効と考えた。 経営革新計画の承認を受けて良かった点経営革新計画の承認を受けたことで、今回、政府系金融機関による低利融資制度を活用して工場を新設することができた。新しい工場は、光学プラスチックレンズと精密エンジニアリングプラスチック部品の射出形成品を、温度湿度一定管理の中で24時間フル稼働で安定した状態で生産できるシステムを目指した。そのために、射出形成機とオートストッカーロボットを組み合わせ、工場全体をクリーンルーム(温度・湿度・ホコリなど一定管理)化し、夜間は無人運転、昼間は品質確認・素材搬入・完成品搬出・メンテナンス以外の出入りを最小限にとどめることで、品質管理に万全な体制を整えている。工場自体をクリーンルーム化して生産に取り組んでいるところは少ないこともあり、お客さまから高い信頼を得ている。また、新工場を建築したことで社員の士気が上がり、高い技術で高品質のものづくりという、モチベーションの高まりは、今まで以上の大きなパワーになっている。 計画を実施する上で苦労している点現在、主に撮影系レンズ、ファインダー系レンズ・プリズム、センサー用レンズなどを受注生産しているが、機器の高性能化が進む中、プラスチックレンズには、ナノメーター精度が求められている。ナノメーター精度の量産技術を確立することで、市場により高機能な、そして安心・安全な光学プラスチックレンズを提供することができる。小さな企業が成長していくためには、このような高技術と高品質な分野に特化していく必要がある。そのためには、クリーンルームや無人化対応などハード面の充実を図るだけでなく、技能検定合格者の成形作業者による成形条件管理、金型管理を徹底するなど、「TPM(全員参加による設備の不具合の復元・改善と保全)活動」と、「QCDS(品質 (Quality)、価格(Cost)、納期(Delivery)、対応やサポート (Service))」に社員全員が取り組む必要がある。 今後の課題 「高転写」というコア技術を新しい製品に活用していくことがこれからの課題である。ワンランク上の商品作りを目指していくために、同社だけではできないことでも、例えば産学官の連携により可能となる。現在、「微細加工・微細転写製品の開発」に取り組み、微細形状を施した分析チップの研究開発を近畿精工株式会社、滋賀県立大学と滋賀県東北部工業技術センターと連携しながら行っている。 [取材:2007年10月]
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