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更新日:
2007年3月9日

県立高校通学区域全県一区説明会(教育関係者向け)の概要

開催日時:平成17年(2005年)1月31日(月曜日)

場所:総合教育センター

参加者:市町教育委員会、中学校、高等学校230人

教育長あいさつ

本日はみなさんお忙しい中、また、お寒い中、お集まりいただきありがとうございます。

また、皆様方には平素から本県教育行政の推進にご理解とご協力をいただき厚くお礼申し上げます。

さて、高校の通学区域制度については、すでにご承知のとおり、平成14年1月、法律が改正され、通学区域を設けるかどうか、どのような通学区域とするか、それぞれの都道府県の判断に委ねられました。本県でも今後の通学区域のあり方について、検討委員会を設置して、それぞれの分野の代表の方々と、公募で集まっていただいた方も入っていただき、県民意識調査の結果も踏まえ、1年をかけて議論を重ねていただきました。

昨年6月、最終答申として、全県一区が最も望ましいという結論をいただきました。

その答申を重く受け止め、その実施にあたりましては、早すぎても良くない、遅すぎても良くない。一番適切な時期はいつかということで、市町村教育委員会、中学校、高校の校長会のみなさんのいろんなご意見を伺いました。県教育委員会としても、この最終答申で求められている様々な対応についていろんな角度から慎重に検討をいたしました。そして、最終的に平成18年4月入学者から、全県一区を実施する目途が立ちました。昨年12月の県議会で条例が改正され、最終的に決定したものです。

全県一区のねらいと背景

この機会にもう一度、この制度改革について、なぜ今、通学区域制度を変えるのかというねらいとその背景を、みなさんとともに振り返ってみたいと思います。

まずそのねらいは、時代の変化に適した制度に変えるということです。そして生徒一人ひとりの学ぶ意欲に応え、生徒が持っている個性や能力を伸ばし、これからの時代を担う創造性に満ちた心豊かでたくましい人を育てていくということです。

全ては未来を託す子どもたちのためということです。

それでは、その時代の変化とは何かということですが、この通学区域制度が導入されたのが55年前です。昭和27年の統計では当時の高校進学率は約38%、それに対し平成16年は98%を超え、ほとんどの子どもたちが高校へ進学する時代となりました。また、交通の利便性も、55年前のことを考えると近年はるかによくなっており、県内の主なところは、だいたい1時間程度で通学できる時代となりました。

さらに大きな変化として、社会経済面、そして社会での就職環境があります。みなさんご存じのように戦後の経済の復興は、まさにめざましいものがありました。高度成長期においては、海外でも私が仕事をしているとき、みんなからいわれました。「本当に奇跡だ。あんなに戦争で滅茶苦茶に負けた国が、こんなに成長をとげ、復興ができるというのは奇跡だ」と。「日本の奇跡」というふうに言われ、「どうしてそんなにできたんだ」とよく質問されました。

しかしながら近年は、十数年前からバブルの崩壊ということもあって、非常に成長が低迷しています。また、これからも従来のような高度成長が考えにくい、低成長期に入ってきました。

就職環境についても大きな変化がありました。戦後の復興、高度成長期は学卒の方々が本当に大量に採用された時期でした。今はどうかというと、その採用は非常に絞られ、なかなか就職できないという状態もある。この就職環境の変化というのも非常に大きな変化です。

その就職に際しての採用の判断についても、非常に大きな変化が起こっています。従来は学歴主義ということで、どこの学校を卒業したかというのが非常に重用視され、ポイントとなっていました。

しかし、今は、学歴不要という会社までありますし、同じ「学歴」という言葉でも、「学習歴」ということで、何を学んで何ができるのかということを、問われる時代です。

勤務形態、賃金体系も大きく変わってきています。従来は年齢が高くなればなるほど、高い賃金が払われるという年功序列の賃金体系でした。しかし、ご存じのように今は、そういった年功序列が崩れています。だんだんと実力主義または成果主義という、それぞれの働きに応じて賃金が払われる時代が訪れています。

また、社会全体の変化ということは、これまでは日本の国の発展だけを考え、それでよしというような風潮もありました。しかし、これからは、グローバリゼーションの時代です。日本の国だけを考えていては成り立たない社会になってきました。情報化、国際化が進み、国際社会において、日本の国として、また個人として、どう生き抜いていくかということが問われる時代となっています。

一方、教育における環境の変化についてですが、従来の画一的な教育、メーカーの製造現場に例えると規格品の大量生産型の教育のようなことが従来行われていました。それが今や、ゆとり教育ということをいわれており、それぞれの個性、それぞれの人の良いところを、それぞれ伸ばしていこうということになってきました。これは、規格品を大量につくるのではなく、いわば多品種少量生産型の教育といえると思います。

私が松下電器で仕事をしていても大きな変化がありました。製造の現場は、今までは100メートルくらいのベルトコンベヤーを置き、自分の持ち場で組み立ての一工程をやるという方式でした。今はそれが本当に変わりました。100メートルあったベルトコンベヤーは一切なくなり、小さいブロックごとにわける「セル生産方式」と呼ばれる方式になりました。一人ひとりがいろんな工程を自分で責任をもって組み立てる。そして、その組み立てた部分については、自分がその責任を持ち、サインまでして、そのサインが消費者も見ることができるようにしています。

このように、今までの生産方式で、一つのモデルをたくさんつくるということでは立ちいかなくなり、一つひとつが、それぞれにデザインや機能をもった、いろんな種類のものを効率よくつくっていくというやり方に変わり、それで生産性をあげています。

そういうことで教育の現場、また製造の現場というのも時代の変化とともにかわってきています。その背景としては、人々はだんだんと豊かになってきて、人々の価値観が多様化してきていることがあります。そして高校進学率が大きく上がり、大学進学率も高くなってきています。

子どもたちの興味関心の対象が、たくさんでてきて、生徒のやりたいことが多様化してきているわけです。そうした大きな変化に対して、教育制度を固定化したままで、対応してこなかったことが、今われわれが直面している様々な教育の問題や、教育改革が大きく叫ばれている原因になっているのではないかと私は思っています。

しかし、こうした変化の中で、本県では少しずつ高校の多様化、特色化に向けて高校の改革を進めてきています。例えば学科、コースの設置と専門学科の改編、学校設定の教科、科目、教育課程の編成の工夫、中高一貫の学校の設置など、様々な試みをやっています。そして今回、通学区を全廃して、全県一区の制度改革ということになったわけです。

まさに、時代の変化に対応した制度改革が実現できるということになったわけです。

以上が、全県一区制度のねらいと背景です。

この制度改革は、高校の改革のみならず中学校や小学校、幼児教育、全てを含めた教育全体を、根っこのところから改革していくことにつながるものです。

みなさまへのお願い

そこで、みなさまにお願いが3つあります。

まず一つ目は、市町の教育委員会、中学校、高等学校、障害児教育諸学校の皆様方へのお願いです。この制度改革は本県にとって戦後最大の教育改革の一つです。まさに歴史的な改革で、その改革を担う主体者は皆様です。現場の皆様の改革にかける熱い思いがなければ、成功しません。これからの時代を託す子どもたちを教育する責任と誇りをもって、この制度改革に取り組んでいただきたいと思います。私も、そして県教育委員会のみんなも、その気持ちで責任と誇りを持って取り組んで参りたいと思います。

次に2つめですが、これは各高等学校の校長先生をはじめ、教職員の皆様へのお願いです。それぞれの高校が一人ひとりの生徒の夢の実現に、また、なりたいと思い描く自分の将来像、なりたい自分、かくありたい自分というものになれるよう、生徒の多様なニーズに応えていかなければなりません。

これまで以上に現場の事業や教育の行い方について、創意工夫と、やろうという情熱、実行力が問われます。それぞれの学校でこれまで培われた校風と伝統に、さらに新しい風を吹き込んでいただき、それぞれその学校ならではの味のある、魅力ある学校づくりを推進していただきたいというのが、2つめのお願いです。

最後に3つめは、各中学校の校長先生をはじめ教職員の皆様方へのお願いです。先ほど、お話ししたように、世の中が変化しています。いずれ生徒は社会に巣立って行くわけですが、就職に際し、これからどのような資質、能力が求められているのか、今日、企業が求める人材とは、どういう人かということをご存じでしょうか。

私は、大学3年生で、いろんな会社をまわったり、説明会に出席したりして、実際に就職活動をやっているまっただ中の学生さんに、企業の求める人材、その会社が求める人材とは何かということを聞きました。

私が聞いたのは、特別職、専門職ということでなく、一般に文化系といわれるカテゴリーの方々です。例えば私が勤めていた松下電器、また、フジフィルム、日清食品、トヨタ、テレビ朝日、富士ゼロックス、サントリー、朝日新聞、毎日放送、富士通、オリンパス、三菱電機、ネスレ、旅行会社のJTB等々の会社説明会に出た方に聞いたわけですが、こうした企業の就職試験を受ける場合、ほとんどの場合はまず、エントリーシートに記入し、これで申し込みます。そこで選考された人がぺーパーテストを受けるということで、まず基礎、基本の学力、一般常識の程度をまずチェックされます。

次に、ある一定以上の方が面接に呼ばれますが、これも一次二次三次と、ところによっていろんな段階があります。企業側はこうした面接をとおして最後に「この人」と決めるわけで、まさに面接が非常に大切なわけです。

では、面接でチェックされるポイントは何か。企業はどういう点をチェックするかということを、まとめてみました。

まず、一番にいわれるのは、コミニケーション能力です。つまり自分の考えをしっかりもって、その考えを自分の言葉で相手にちゃんと伝えられるかというポイント。いわゆる面接で会話のキャッチボールをしっかりできるかというポイントです。

また、次には、やり抜こうとする熱意があるかどうか、というポイントです。そして心遣い、誠実さ、チームワークで仕事ができるか、というポイントです。

それと、好奇心があって前向きにチャレンジする「チャレンジ精神」を持っているかどうかというポイントだそうです。

こうしたことは、いわゆる学力や知識ということではなく、その人そのもの、資質、あるいは人となりが、総合的に判断されるわけです。

そして一番求めるものは、熱意ということだそうです。

では、その熱意というものはどこからくるのか、どこから生まれるのかということです。

それは目的意識をもっていなければ出てこないということです。

目的意識をもつということが非常に大事なポイントです。そこで、中学校の先生方にお願いです。生徒のみなさんにどう働きかければ、そうした目的意識をもって学習に励むようになるかということを考えていただきたい。生徒のみなさんはそれぞれ無限の可能性を持っています。いろいろな個性や能力があります。将来の夢や希望も人それぞれです。その可能性を最大限に伸ばすため、広い範囲から最大限の選択幅をもって自分にあった学校を選べるようにするというのが今回の制度改革です。

進路指導にあたられる先生方は、非常に大変だと思います。生徒の進路指導をされる際は、一人ひとりにしっかりと向き合って、生徒の夢や思いにじっと耳を傾けていただきたい。そして適切な助言、励ましをしていただきたいと思います。「あなたの夢は何ですか」とか「あなたは何をしたいの」と生徒に尋ねても、おそらくほとんどの生徒のみなさんは答えられないと思います。それが、普通だと思います。

しかし、この制度改革が、変化のきっかけとなります。進路指導の際、生徒のみなさんが示します興味・関心を先生の常識で狭めてはなりません。その興味・関心を大切にし、はっきりした夢を今は描けなくとも、将来への可能性を見つけだせるよう指導していただきたいのです。決して先生方から、どの学校をという答えを出さないでください。複数の選択肢の中で、保護者の方と相談のうえですが、本人に、最終的に選んでもらってください。主体的な選択、自分の行きたい学校はどこか、というところを大切にしてあげたいのです。受け身の選択ではなく、本人の納得の選択をさせてあげていただきたいのです。受け身ではなく、納得の選択。これを是非、お願いしたいと思います。

それが将来のなりたい自分を見据えて、高校で何を学ぶかという目的意識をはっきり持つことにつながっていくと思うからです。こういうところを是非保護者の方々にもご説明いただきまして、自信をもってやっていただきたいと思います。

全県一区の制度改革によって選択幅が最大限に広がります。生徒のみなさんが自分にあった学びたい学校を適切に選ぶことができるよう、県教育委員会としても必要な情報の提供や説明会の場の設定、体験入学の機会の提供等、皆様方のご要望を踏まえながら、今後一層の対応をして参りたいと思います。

また、皆様方と一緒に、この制度改革が成功裏になされますよう、ご協力をお願い申し上げまして、私のごあいさつに代えさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

高校改革推進室説明

私の方からは、お配りした資料をご説明し、これまで県議会での議論や保護者の方々からいただいたご意見等についてもご紹介させていただきます。

答申の概要

まず、「県立高等学校通学区域制度検討委員会の答申の概要」をご覧ください。

すでに、6月にこの答申をいただき、市町村教育委員会、中学校、高校等にお送りしており、ご承知の方が多いと思いますが、この機会にその趣旨など概略をご説明します。

まず1番の通学区域の現状と課題というところで、現状の1番目にある高校教育の普及と機会均等ですが、地方教育行政の組織および運営に関する法律の第50条で、高等学校については、通学区域を設けなさいという規定がありました。それによって55年前に通学区域を設け、その後4通学区域となり、また3分割を経て今の6つの通学区域になったということです。こうした中、平成16年には98.1%という高い高校進学率となり、ほとんどの生徒さんが高校等に進学できる状況になってきました。通学区域制度が持つ「高校教育の普及と機会均等」という目的は、一定、達成されてきたのではないかということです。

2つ目として、これに伴い、生徒のニーズ、求めるところも非常に多様になってきています。あわせて学ぶ意欲に乏しい子とか、中途退学というようなことが高校の方で問題となってきているという状況もあります。

3つ目の個性・能力の伸長の要請ですが、これからの人材養成に求められることについて、平成9年6月の中教審の第2次答申「21世紀を展望した我が国の教育のあり方について」が「教育における平等を重視し、形式的な平等のみならず結果の平等までも期待した結果、教育システムを画一的なものとして構築したり、これを硬直的に運用するという傾向を生じてしまった」と指摘し、「形式的な平等の重視から個性の尊重への転換」を打ち出しています。

本県の高校教育将来構想懇話会の平成14年3月の報告においても、自己責任の確立や、生徒一人ひとりの個性、能力の伸長を、これからの高校教育の基本とすべきであると述べられています。

4つ目が、通学区域を超えた移動が容易に、ということで、交通機関の利便性が大変良くなり、県内の多くの地域が、大体1時間ないし1時間半もあれば、北の方から南の方まで移動でき、活動の範囲が非常に広がっており、通学にかかる生徒への負担も、この通学区域制度ができた当時と比べ、負担は格段に軽くなっています。

5つ目の地教行法の改正というのは、平成14年1月に通学区域について定めた地方教育行政の組織および運営に関する法律第50条が削除され、通学区域について国が法律で一律に定めるのではなく、それぞれの都道府県で検討し、必要と判断すれば設けたらいいということになりました。その国会の議論の中では、この法律の制定当時とは、通学区域をめぐる状況が相当変化し、その趣旨も変わってきているということがありました。

こうしたことを受けて、次の課題というところですが、まず、特色化が進んでも選択幅が制約されるということがあります。本県の場合、平成6年に高校教育改善推進協議会から、高校については特色づくりを進めるべきであるという報告をいただきました。これに基づき、例えば総合学科や、美術、体育などのコースの設置など、どちらかというと主に制度的な部分で、当初は特色づくりに取り組んで参りました。

最近では、「スーパー・イングリッシュ」など、普通科でも国や県の研究指定校として、いろんな教育の改善を行っていただいています。以前からのこうした取り組みを進めてきており、今年も「スーパー・サイエンス」の指定など、様々な動きがでています。

このほか、各校での独自の教科設定などもありますが、こうした特色づくりが進んでも、通学区域の制約のため、その高校に進学できないこともあり、これは一つの課題となっています。

2つ目の学校選択幅の地域差というのは、生徒の数に応じて学校を設置していることもあり、大津、湖南、甲賀の3通学区域では、交流も含めると19校という多数の高校から選択できるのに対し、2校からしか選べない地域もあり、大きな差が生じているということです。

3つ目が市町村合併の進展です。例えば、石部町と甲西町が合併して湖南市になりました。ここは甲賀通学区域ですが、過去の経緯の中で、石部町については栗東と草津の普通科に、交流枠に関係なく進学できる「調整通学区域」となっています。この石部町が、こうした扱いのない甲西町と合併したことで、同じ湖南市の中でも、交流枠の制約があるところとないところができてしまいました。これからも市町村合併の進展に伴い、このようなことが、さらに別のところでも生じてくると思われます。

例えば大津市と志賀町の合併や、西浅井町とその周辺の町との合併において、通学区域や調整通学区域をどうしていくかが、一つの課題になってきます。

4つ目が生徒数の変動ということですが、本県の場合、今の児童・生徒の状況から、中学校卒業者の数は、全体としては平成21年を底にして、それ以後はやや上昇、あるいはほぼ横ばいという見通しですが、地域的に見ると、南の方では増えていくのと反対に、北や東では減り続けるという状況であり、地域差が非常に出てきます。

これによって、生徒数が多くて学校が非常に窮屈になる地域と、反対に学校の施設等の規模からして、生徒が少なくなる地域ができてしまいます。

それと県民の多数が「拡大」と書いてありますのは、平成15年の夏に各学校のご協力もお願いして意識調査をしました。一般県民1千人と、各校を通じて中学校2年生、高校1年生、それぞれの保護者に対してアンケートをいたしました。

その結果も公表していますが、通学区域のあり方についてお考えを、今の通学区域を小さくする、交流枠をなくす、現状維持、交流枠を広げる、通学区域の数を減らし大きくする、全県一区、分からない、その他の8つの選択肢から選んでいただいた中では、一般の方と中学生の方が「全県一区が最も望ましい」が多いという結果になりました。

高校生と保護者については、現状維持が多いという結果となりました。

これを傾向としてみるために、今のままがいいのか、小さくするのか、または拡大するのかという3区分でくくってみると、小さくした方がいいという方は、どの調査対象でも1割未満でした。現状維持が2〜3割。今より大きくして欲しいというのが概ね半数くらいと最も多くなりました。

こういうことも踏まえて通学区域の検討委員会の方で検討いただきました。そうした中で、その矢印のところにありますように、通学区域の拡大が必要であろうということで、一旦意見をまとめていただきました。

次の2番、3番あたりが、通学区域を広げた場合に、どういう対応が必要か、問題点は何かといったことについて、議論していただいた部分です。

通学区域を広げると、高校の選択幅が広がり、どこかに受検生が集中するということが制度上はありえます。それによる受験競争の激化や、学校間格差の拡大、そして、遠距離通学、県外への生徒の流出といったことについて検討が行われました。また、高校と地域との連携が薄くなるのではないかということも課題・問題として検討されました。

あわせて拡大の方法についても検討いただきました。通学区域を減らして、一つの通学区域を大きくするというのが区域の拡大です。ただ、これは、大きくしても、通学区域そのものは残るということによる制度上の問題が指摘されました。

次に区域間交流という方法については、現在も大津・湖南・甲賀の3通学区域間の交流においていわれていることですが、交流枠が設定されることで、区域の内と外で入学の難易の差が生じるのではないかいう懸念が残ります。

これに対し全県一区という制度は、非常にわかりやすく、誰にでも同じような機会が与えられます。ただ大きな制度変更なので、慎重な対応策等が必要です。いろいろ検討されましたところ、結果的に全県一区が最も望ましいということになったわけです。ただ、一番下の4にあります必要な対応として、特色ある学校づくりなど5点について、対応が求められております。

通学区域改正方針

その裏をご覧ください。この答申を踏まえまして、市町村の教育委員会のみなさん方、また、中学校長会、高校校長会のみなさん方に、いろんなご意見等をいただきながら、検討して参りまして、その結果、昨年11月にこういう形で、通学区域をなくし全県一区とするという教育委員会の方針を決定させていただきました。

1番では、通学区域制度の経過ということで、すでにご説明したようなことを記載しています。こうした検討の結果として、2番において改正方針を記載しています。

今回の目的は多様化する生徒のニーズに対応し、生徒の個性や能力を伸ばし、自ら学ぶ意欲を育むとともに、自分にあった高校を主体的に選択できるよう、その選択幅を可能な限り拡大するというものです。アでは通学区域をなくし全県一区とすること、イでは、その実施時期として、いろんな対応策等を考たところ、18年4月入学者から、つまり現在の中学校2年生の方から全県一区とするということを記載しております。ウでは、全県一区の実施までの間、調整通学区域の部分は今まで通りとするということで、今年の2、3月の入学者選抜については、今の湖南市のうち、旧石部町のみ調整通学区域として取扱いをいたします。

エは必要な対応であり、これは後ほどご説明します。

オは条例改正です。すでにいくつかの県では全県一区を実施していますが、通学区域について条例で定めているのは、本県だけのようです。本県では通学区域の廃止に、条例改正という手続きが必要です。そこで12月に県議会で条例改正をしていただきました。この改正条例の施行は18年1月です。これは、本県の通学区域制度は、受検の申し込みにかかる規定になっていますので、申し込みの段階で施行されている必要があると判断し、その時期に間に合うようにしたものです。

リーフレット

次に、色刷りのリーフレットをご覧ください。できあがったばかりで、お配りするのは今日が初めてですが、これから市町教育委員会や各学校、中学校2年生の全員にお配りしていきます。2月11日からの県民の方への説明会でも、これを使っていきます。

概略をご説明いたします。表紙では今回の通学区域の趣旨、ねらいです。全県一区とするということと、18年4月入学者からということです。挿絵の下には「自分にあった高校、学びたい高校を全県どこでも受検できる」ということで、これが今回の改正のポイントになると思います。

見開きを開いていただきますと、一番上に「一人ひとりの学ぶ意欲に応え、可能性を広げます」と書いております。やはり自分にあった学校、学びたい学校を選び、学ぶ意欲を育むということが、一つのポイントであると考えております。

左側のページでは、これまでの経過を概略として記載しています。そして、現在は6つの通学区域があり、保護者が居住する通学区域の中から選んでいただいていますが、この通学区域を平成18年4月から廃止するということです。

次のところでは、県立学校の課程や学科の図でございます。課程としては全日制・定時制・通信制、そして学科としては、普通科、専門学科、総合学科です。専門学科という学科はありませんが、農業学科や工業学科などをまとめた呼称です。

その下には、高校を選択するにあたって、お考えいただきたいことを書いています。左側の2つめでは、各自の興味・関心、能力・適性、また進路希望を踏まえ、選んでいただきたいということです。3つめでは、そのときに、自分の将来をしっかりと見据え、よく考えて欲しいということを書いています。4つめでは、通学の利便なども含め、保護者や学校の先生とよく話し合って決めていただきたいということです。

実は、先ほどご説明した県民意識調査では、学校を選ぶときのポイントについても、あわせて聞いています。その中で、通学の利便というご回答もたくさんいただきました。これは中学生、保護者、高校生という調査対象に余り関係なく、一様に多かったので、高校選択の一つのポイントになっていると思います。

右側のページでは、これまでいろんなご意見等をいただきながら、ご質問が多いと思われることをQ&Aの形で3つ取り上げています。

1つ目の高校の特色については、各高校では様々な取り組みが行われていること、2つめの高校選択については、18年4月入学生の高校選択に向けた取り組みとして、高校の説明会や体験入学のことが書いてあります。今はどちらかというと、中学校に高等学校が説明に訪れていることが多いと思いますが、来年の夏休みを目途に県下の高等学校が集まって説明会を開催することにしています。それが2か所に集まるのか3か所かなどは、これから具体化していきますが、そこへ中学校の先生方をはじめ一般の生徒さんも含め、高校の取り組みなどについて、見たり聞いたりする機会を設けたいと考えています。また、普通科でも体験入学の実施を広げていくこととしています。

Q&Aの3つめとしては、生徒のみなさんの興味関心等のニーズに応えられる高校づくりを一層進めていくということです。通学の便利が良い、近い高校で、それぞれの生徒のニーズが満たされれば、それが一番良いと思いますので、各地域における魅力ある学校づくりを進めていくことが大事です。

もう一つは、志望の状況についてですが、今年も1月15日時点で集約し、志望の倍率も含め先般公表しました。これは来年度も行います。

その右下が、実施する対応策です。これが全てではありませんが、答申で求められたことへの主な対応になっています。

特色ある学校づくりは、今までの取り組みも含め、さらに一層進めていきます。2番の入学者選抜方法については、現在この中の何人かの先生方にも委員をお願いして、入学者選抜方法改善協議会で検討していただいています。まもなく中間報告をいただくと聞いており、それに従っていろいろと選抜方法を工夫していきたいと思います。

募集定員については、今までから生徒の増減とか志望の状況、進学の動向等を踏まえて策定しており、引き続き適切に行って参ります。

4の進路指導ですが、高校のホームページを充実するなど、進路決定に役立つ情報の積極的な提供に努めていきます。高校の紹介冊子「夢の設計図」も、昨年の11月、3年生の方向けに作成し、配布しました。これをこの1月、2年生の方のクラスについても送りました。来年度はまた、新しい情報も盛り込んで、3年生全員に配ります。その時期ですが、新しい情報を盛り込むので、年度明けすぐにはできませんが、進路の相談が中学校の方であると聞いている概ね7月には、間に合うよう取り組んでいきます。

組織目標や学校評価についても、学校選択の一つの判断材料として公表をしていきたいと考えております。

5の中学校と高校の連携ですが、現在も生徒指導や進路指導等において、連携のための組織がありますし、日常的な連携も行われています。こうした取り組みを一層深め、また必要やご要望に応じ、県教委としても対応していきます。

次の地域との連携ですが、これは通学区域が広がりますと、地域とのつながりが薄くなるのではないかということへの対応です。高等学校では学校評議員制度の活用や、高校開放講座などで、地域の方々と連携を図る機会を設けています。さらに、生徒のみなさんも体験学習などで地域にでかけていくことがあります。こうした取り組みをさらに広げ、地域との連携を一層図っていきたいと思います。

それと、全県一区の周知ですが、この1月4日から窓口を設置しました。電話番号は裏面、最終のページに入れておりますが、077−528−4975です。まだ相談そのものはあまりありませんが、今後とも相談に対応していきたいと思います。

説明会は、2月11日から開催します。たくさんの申し込みをいただいており、昨日現在で3500名を超えるお申し込みがありました。この人数は、なかなか事前に想定が難しかったので、満員になった会場もありますが、お断りすることなく、追加開催で対応しております。場合によっては、まだ増やしていくことも考えます。お問い合わせいただきましたら、空いている会場をお答えさせていただきます。

一番最後のページは情報提供等の状況です。

「夢の設計図」という冊子を7月ごろにお配りできるようにしたいと考えています。高校の入試要項を例年8月に出していますが、通学区域が変わることもあり、2月ほど早め6月には出せるように準備を進めています。この入試要項なども盛り込んだ形で、冊子を作成し、中学校での進路相談にあわせて、お配りできるようにします。

進路決定に向けての情報提供等の状況

最後に1枚もので横向きの「進路決定に向けての情報提供等の状況」という資料をご覧ください。全県一区の実施に伴う対応の中でも、生徒、保護者の方々が一番知りたいと思われるような事項をまとめたものです。これを県民の方への説明会でもお配りしようと考えています。左側が今年の2、3月に受検される方のスケジュールです。()は中学校での取り組みですが、あくまでも一般的なもので、中学校によって時期、回数等若干異なることを断ったうえでご説明したいと思っています。

右側が18年4月入学者にかかる取り組みということで、17年2月には、進路説明会が行われる。また、リーフレットや特色紹介冊子「夢の設計図」を配布をいたします。

5月には組織目標や学校評価について、ご覧いただけるように取り組みます。

6月には、18年4月入学者の選抜要項を出したいと考えています。

8月前後には、体験入学や高校の説明会がありますので、その日程を6月ごろには、中学校にお知らせできるようにしたいと思います。

7月には3年生全員に平成18年度用の「夢の設計図」をお配りしたいと思っています。

以下の予定は、6月の選抜要項の時点で決まりますが、概ね今年の選抜の状況と、大きくは変わらないものと考えております。志望調査の時期、出願状況の公表なども、おそらく同じような形で行うことになろうかと思います。

今後は、それぞれ中学校の方で進路指導等をしていただくことになると思います。今日の説明等を踏まえていただき、適切にご指導いただきますよう、よろしくお願いします。

 

質疑応答(午前)要旨

A中学校
入学者選抜の改善は、どのような方法を検討されているのか。もう少し具体的に。

高校改革推進室長
向としては、各高校が特色づくりを一層進めていく中で、その特色に応じた選抜方法と、生徒の能力の多角的な評価という2点。2月4日にはご説明できるように進めている。

B中学校
県一区の趣旨はよくわかるが、選択の幅を広げても地理的な条件などで、好きなところに行けないところもたくさんある。交通の利便性や経済的な条件もある。経済的に苦しい家庭もたくさんある。遠くへ行けたり、私立を併願できたりする生徒はいいが、そうでない人にも同じように選択の幅が広げられるよう、入試制度などを工夫をして欲しい。
後、生徒の希望に偏りが出て、志願者が少ない高校も出てきたときに、これを安易になくすことになれば、選択肢を結果的に狭めてしまう危惧がある。地元に行きたい生徒もおり、地元の高校をなくさないで欲しい。また、学科をなくすと、もう1回新設するのは大変難しいので、安易になくさないで欲しい。
の設計図は、どの高校もいいことをたくさん書いているが、これで選択するのは難しいのではないか。

高校改革推進室長
点目については、経済的な要素が入ってくると難しい面もあるが、それぞれの生徒の志望、地域の事情も念頭において、募集定員を設定している。今後も様々な事情も十分踏まえながら設定していく。
の希望の偏りについては、答申でも触れられており、それぞれの希望を叶えられるような学校づくりに取り組んでいく。全県一区の実施により、学校がなくなるということは考えていない。
路指導については今までも、生徒の希望や中学校での学業の状況、個人調査書、日頃からの中学校と高校の連携の状況を踏まえ、その子にとって最も適した進路を指導していただいていると思う。近いところでその子の目的が達せられたら、それが一番いいと私は思う。遠くへ行くのも選択の一つだが、通学には時間もお金もかかる。その高校のある地域にも地元の生徒さんがおられ、倍率がどうなるのかも若干気になる。生徒の学びたいことや進学の目的について、もう一度点検してご指導をお願いしたい。
ども高校を設置している側からすると、今の通学区域の中でも、一定生徒のニーズに応えられる高校づくりをしてきたと思っている。
夢の設計図」については、全県の高校の情報をまとめたものがなかたったので、作成した。各校見開きの2ページで、これだけで高校を選択するのはなかなか難しいと思うが、それぞれの高校にはホームページがあり、高校で別途資料も作っている。「夢の設計図」は来年に向け、さらに内容面などで工夫していくが、これだけで全てを決めるのではなく、判断材料の一つとして活用いただきたい。

 

C中学校
立高校の説明会の開催を8月に考えているようだが、今までは学区があったので、ある程度の学校を中学校の教師が手分けして参加し、色々と情報を得ていた。しかし、全県一区になれば、それだけたくさんの学校の情報を、中学校教師も勉強しなければならない。今までのように、それぞれの高校に出向く形では、とても回りきれないので、できればどこかで、いくつかの高校の説明が一度に聞けるようにして欲しい。
出願においても、一人でも遠くの学校があれば、その学校まで出願しにいかなければならない。これも大変な労力なので、できればどこか一か所で、ある程度の学校の手続きができるようにしていただきたい。
夢の設計図」を配布する7月はもう夏休み前で、渡すだけになってしまい、学級担任として指導ができない。できれば1学期の早い時期に渡す方が、進路指導の学習をしたうえで、広い範囲からじっくり高校を選び、体験入学に行ってと、段階を踏んでいける。
毎年11月には各高校への入試の手続き等の説明会などもあるが、選択範囲が広がるので、こちらも事前に勉強しなければならない。直前でなく時間的余裕がほしい。

高校改革推進室長
1点目の高校の説明会については、予算との関係もあり、新年度に入ってから最終の詰めとなるが、今のようなご意見も踏まえ、いくつかの高校が一カ所に集まり、そこへ行けば相当数の高校の状況がわかるという形を考えている。まだ検討中だが、2から3か所程度で開き、中学校の先生方をはじめ生徒、保護者の方々も来ていただけるよう考えている。
2点目の出願手続きだが、通学区域が広がると先生に持参いただくのは非常な負担になるという声を、答申をいただいた後の関係機関との意見調整の中で頂き、検討してきた。郵送ということも念頭に置き、それに伴う負担もできるだけ軽減できるよう考えている。
の設計図は、掲載する情報がこの3月に卒業する生徒の進路先も必ず載せるようにお願いしている。6月に決定する入試の要項も盛り込むので、印刷の期間も考えると7月になる。できるだけ早くというご意見の趣旨には、可能な限り応えていきたい。
11月の説明会については、所管の学校教育課へ、ご意見があったことをお知らせする。

A高校
通科も学校の特色で選んでもらうというが、実際は自分に合っている高校かどうかよりも、偏差値で合わされた形で高校を決めている。全県一区になると、これが細かなスライスにならないか。
日の教育長の話では、中学校の進路指導でどの学校にしなさいというのではなく、本人と保護者があくまでも選ぶということだが、その場合、現実には入学試験があるので、自分の実力と違うレベルの学校を受けた子どもたちが、大量に不合格となる可能性がある。今は細かな指導をされていると思うが、これがなくなると、どうするのか。98.1%という非常に高い進学率を、今後も維持する方向で進んでいくのか。

高校改革推進室長
校選択にあたり、自分が行きたい学校ということが一つあるが、それに向けた手段は、当然複数あるだろう。行きたい学校と、同じような取り組みを行っている学校が、他にはないのか。当然今でも通学区域の中で、それぞれ選択をしていただいているのだが、自分に合った学校の「合った」という言葉には、いろんな意味があり、通学の利便など色々な要素も含めて選択いただきたい。中学校の方でも、そのあたりを十分踏まえた進路指導を今後一層お願いする。
の質問で、生徒、保護者が行きたいというだけで、そこを受けさせるということは、大量の不合格にもつながるが、その結果大変なことになるのは、生徒、保護者の方々だ。中学校の方でも、そのあたりは十分にご指導をいただきたい。
の社会状況としては、高い授業料の高校への進学はなかなか難しく、奨学金を望まれる方が増えてきているという状況もある。そのあたりも十分に検討してご判断いただければ、そんなに大きな変化、特定の学校への集中は考えにくい。
に全県一区を実施したところに和歌山、福井、埼玉などがある。埼玉なども地形上は滋賀県とよく似て、非常に移動しやすいところだが、ほぼ今までどおりの進学状況であったと聞いている。今までの各高校の取り組みが信頼を得ており、生徒、保護者の方々も本当に行きたい高校を十分検討いただいた結果ではないか。
校にも一層の魅力づくりを、中学校にも一層のご指導をお願いしたい。

A町教育委員会
う少し具体的な内容の説明があるかと思っていた。
集定員については、流入側の地域で非常に難しい問題となる。1月現在で、今年度の志望状況が発表されたが、志望状況に応じて募集定員を設定するのか。また、いつの段階で設定するのか。あくまでも各自のニーズに応えるということは、募集定員もニーズに合わなければならない。

高校改革推進室長
試の改善についてはまだ結論が出ておらず、今日時点ではこれ以上申し上げられない。
集定員は、志望が多いところをどんどん増やすという方向も一つあるが、それなら逆に、志望がない学校はいらないのかという話にもなる。
通学区域制度の趣旨は、より多くの人に高校教育を受けてもらおうということだ。各県の中心となる市、地域に、いわゆる旧制中学などあり、そこに受検生が集中して倍率が上がったり、生徒に過重な通学の負担をかけるということも考えられるので、通学区域を設けた。その成果が定着し、ほとんどの生徒が高校等に進学する時代となった。
こで、今回は、特色ある高校づくりなど、色々な取り組みも含め通学区域をはずすのだが、だからといって希望がない学校は、つぶしていいということではない。
れぞれの地域にはそれぞれの事情があり、こうした事情や生徒の志望の状況なども踏まえ、対応していく。生徒の数が減る中、いろいろと工夫しながら募集定員を設定しており、今後も引き続き同じような形で、こうした事情の反映に努める。どちらかに比重をおくというわけにはいかないので、全体を見て総合的に判断していく。

質疑応答(午後)要旨

A中学校
育長は、企業が今、どういう人材を求めているのかという話をしたが、我々は企業が求める人材づくりを教育の目的にしているわけではなく、主権者たる者を育てるのが教育の本質的な目的だと思う。この辺はどうお考えか。
た、選択幅を広げ個性を育てるというが、幅広くいろんなことを学び、基礎の土台となるところを分厚く育ててこそ、個性が開花していく。早くから個性だ個性だといって、間口を狭くしていけば、個性は伸びるどころか倒れると思うが、どうか。
分に合った高校を見つけるというが、各学校の合格の可能性、学力がどうかということがなる。しかし、今まで受検したことのない学校を受検するので、中学校もそういうデータは一切持ち合わせていない。その中で、今までわれわれが努力して、自分にあった学校、自分が学びたい学校を選ぼうと続けてきた進路指導は、非常にやりにくくなり、今まで積み上げてきたものを崩してしまいかねない。
討中ということだが、いろんな問題点が解消されるような入学者選抜方法が見つからなかった場合は、これは白紙に戻すということもありうるのか。いろんなニーズにあった選抜をしていこうと思うと、選抜の客観性が薄れてくる危険性があるのではないか。

高校改革推進室長
ほど教育長が申したのは、自らの意見や意欲といったことであり、今の社会が望んでいる人材ということだ。
れわれに課題として突きつけられているものに、ニートといったものがあり、これについて学校教育ではどう取り組んでいるのかということにつながる。
れが、このパンフレットにある「自分にあった高校、学びたい高校」という、自ら学ぶ意欲を育てていきたいというところで、その方向が主権者たる国民、人材をつくるということと、合っていないとは思わない。これはご理解をいただけるのではないか。
2つめの、基礎的な部分を大切にするというのはその通りだが、やはり義務教育と、高等学校という自ら望んで行くところとで、自ずと差があるのではないか。今でも工業系、農業系という職業系と、普通科などを設置しており、これについて選択が早すぎるという意見があるかもしれないが、義務教育段階を終え、さらにその専門的な段階へということで、工業を望まれる方、農業を望まれる方が現におられるのも事実だ。
は、県下の全県立高等学校で、あわせて約50%が大学・短大等に進学している。数の大小はあるが、全高等学校から大学等への進学がある。工業でも農業でも生徒がその気になれば、大学にいける道は今でも開かれている。
ういう目的、将来を考えて学校を選ぶのかというところを、少しでも考えていただきたい。それが学ぶ意欲、将来を自ら開くということにつながるので、是非とも前向きにとらえていただきたい。
3つ目の受検と進路指導だが、今までの進路指導は崩れないようにすべきであると思ってる。資料の中に、中学校、高校間の連携の強化ということが書いてあり、この中で、受験実績のない高校を生徒が希望したとき、どうするのかは当然課題と考えている。
路指導にかかる協議会や、それぞれの地域での情報交換の場も一定あるので、どういう形での情報交換がいいのか検討し、県教育委員会ができる情報提供があれば、積極的に対応していきたい。

A高校
年12月の議会では学区条項を削除する条例の改正があったと聞いているが、これがイコール実施決定であるのか。県民、保護者、中学校の先生方に多くの反対意見があると聞いているが、それでも実施するのか。

高校改革推進室長
県と違い本県では、通学区域について定めた条例の規定がある。これをどうするかは平成14年ごろから県議会でも議論されている。また、15年から16年にかけて1年にわたり、検討委員会を設けて検討してきた。検討委員会の設置にあたっては、15年4月、5月あたりに公募委員を募集し、約20人近い方の応募をいただいた。県民の意識調査等も行い、この結果も踏まえご検討いただいた。
の間、毎議会においてご質問をいただき、教育長が答弁しているし、議会閉会中も毎月1回の常任委員会で、私どもから検討状況、考え方等について、逐一ご説明している。
申以後、全県一区の実施にあたり、どんな対応をしていくのかも、市町の教育委員会や中学校長会、高校校長会の意見を伺い、検討の状況や、11月にとりまとめた通学区域の改正方針、対応策についてもご説明した。
討の結果、全県一区の実施の目途が立ち、条例を改正し、通学区域を設けるという趣旨の規定を削除していただいた。全県一区について議会でご了解をいただいたということになる。実施時期は18年4月からだが、本県の通学区域制度は、入学ではなく出願にかかる規定となっており、誰がどこに出願できるという規定の仕方になっているので、誰でもどこでも出願できるようにした。これで実施が決まったということになる。
対意見が多いということだが、検討委員会には、教育関係者の中でも市町村教育長、教育委員、中学の校長先生、高校の校長先生から入っていただいた。また、県PTA連合会、県立高校PTA連合会からも2人づつ委員をお願いした。さらに経済界、労働界、地域で生徒の指導にあたっていただいている方、民間施設で体育指導にあたっていて、生徒の状況をご存知の方、大学の先生、公募委員3人と、各界各層から参画いただいた。
して県民意識調査では、おおむね半分くらいの方が、拡大という形での変更を望んでいるという結果だった。現状維持や縮小という方がいらっしゃることも承知しているが、こうした慎重な議論の中で決めたものだ。

B中学校
体的に、こういう子どもが今の通学区では自分の思いを実現できないので、広げた方がいいという実例が、普通科であるのか。

高校改革推進室長
通科でも平成6年から特色作りに取り組んでおり、「スーパー・イングリッシュ」「スーパー・サイエンス」など国や県の研究指定校も含め、一定の評価を得ている。
代の流れも大きな要素で、学ぶ意欲や目的意識の乏しい生徒さんも目立ち、中途退学につながることもあり、学校選択にあたって本当にここに行きたい、こんなことがしたいということが、自分自身の中に問われているかが課題と考える。
業系の学科の生徒は、どちらかというと専門的な教育を受けるということで、そういう心構えもあろうが、普通科の方はそのあたりの不十分さが、いわゆる学ぶ意欲の低下につながっているかもしれない。
択の幅を広げると、自分の学びたいコースや「スーパー・イングリッシュ」などの研究指定校について、今の通学区域を越えて選択していただくことができる。また、部活動も大きな選択の要素で、数は少ないかもしれないが、ある高校で部活動をしたいから、転居してまでそこに進学したという例も聞いている。そういうことも含め、学ぶ意欲や自主性を育てていくために、どうしても必要と考え全県一区という形にした。

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