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環境政策課  地球環境・新エネルギー室

湖国しがのバイオディーゼル燃料

バイオディーゼル燃料とは?

バイオディーゼル燃料(BDF;BioDieselFuel)は、化学的な定義はなく、一般的に菜種油、廃食用油などの植物性油脂を原料とする非化石燃料を指しています。

油脂は粘度が高いなどから、そのままディーゼル燃料として使用した場合、燃料ポンプに析出物が付着することによる燃料ポンプの動作不良や、フィルターに目詰まりが生じるなどの不具合が発生することが懸念されます。そのため、植物性油脂に化学処理を施し、軽油に近い物性に変換したうえで、ディーゼル燃料として使用しています。

バイオディーゼル燃料の製造工程

植物油は下図の通り、脂肪酸とグリセリンの結合体(エステル)であり、分子量が大きいことから粘度の高い物性を持っています。
そのため、メタノールなどのアルコールと植物油を反応させ、脂肪酸メチルエステル(FAME;FattyAcidMethlyEster)等の軽油に近い物性に変換し、副生物として生成されるグリセリンを除去することで、ディーゼル燃料にすることができます。

バイオディーゼル燃料反応図 精製反応

なぜ、今、バイオディーゼル燃料なのか?

バイオディーゼル燃料は菜種油などを原料とする植物由来で再生可能なバイオマス燃料です。

カーボンニュートラル

また、燃料として利用(燃焼)することによって排出される二酸化炭素(CO2)は、原料となる植物を生育させることによって固定されることから、二酸化炭素のバランスを考慮しながら利用すれば追加的な二酸化炭素を発生しない(カーボン・ニュートラル)という特性があります。
このように、生産から利用に至るシステム全体で、温室効果を有する二酸化炭素を増加させないバイオマス利用は、地球温暖化対策に有効な手段とされています。
 
 
 
〔参考〕
Revised 1996 IPCC Guidelines for National Greenhouse Gas Inventories" (IPCC) によると、バイオマスのエネルギー利用に伴うCO2排出の扱いを以下の通りと規定している。
  • バイオマス燃料の燃焼に伴うCO2排出はエネルギー部門のCO2排出量の合計には算入しないこととする。
  • これは、バイオマスの持続的な生産が行われている場合は純排出量がないことによる。
  • また、仮に持続可能でないバイオマスの収穫(バイオマスの年間生長量を上回る収穫)が行われた際は“土地利用変化と森林"セクターでの純排出として計上されることとなる。
  • ただし、(バイオマスの生長により固定化されない)他の温室効果ガス(メタン、一酸化二窒素)は算入することとなっている。

(出典:経済産業省総合資源エネルギー調査会資料)  

菜の花エコ・プロジェクト

家庭で使用した食用油(廃食用油)を回収し燃料化するだけではなく、食用油の原料となる菜の花を栽培し、その油を食用に利用した後、バイオディーゼル燃料として利用することで、バイオマス利用による温暖化対策だけではなく、農業を起点とする地域内資源循環、観光資源や環境学習の素材に利用することができます。このように「菜の花」を共通の媒体にした取組を「菜の花エコ・プロジェクト」と呼んでおり、この地域モデルは滋賀県東近江市を発祥の地として全国に広がっています。

目指すイメージ 

滋賀県におけるバイオディーゼル燃料利用の歴史

1977年5月、琵琶湖に悪臭を放つ赤褐色のプランクトンの異常繁殖による「淡水赤潮」が大発生しました。

その原因の一つが当時、使用されていた合成洗剤に含まれている「リン」ということがわかり、この赤潮の発生を契機とし、消費者団体をはじめとする県民が主体となって、リンを含む洗剤の使用をやめ、家庭から回収した廃食用油などの天然油脂を原料とした粉石けんを使おうという運動をはじめました。これがいわゆる「せっけん運動」です。

琵琶湖を守るため粉石けんを使用するという県民的なうねりの中で、1978年に主婦層を中心に「びわ湖を守る粉石けん使用推進県民運動」県連絡会議(現在は「びわ湖を守る水環境保全県民運動」県連絡会議)が結成されました。この連絡会議が中心となって、滋賀県に早急な対策を強く働きかけ、1980年7月リンを含む家庭用合成洗剤の販売・使用・贈答の禁止、窒素やリンの工場排水規制を盛り込んだ「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」(通称:琵琶湖条例)が制定されました。

このような「せっけん運動」の取り組みは全国的な注目を集めましたが、琵琶湖条例施行後、無リン合成洗剤の登場などにより、粉石けんの使用率は徐々に低下し、「せっけん運動」で培われた市町村や自治会単位の廃食用油回収システムによって集められた廃食用油の行き場を狭めていくこととなりました。そこで廃食用油を有効活用する新たな手法として登場したのが、バイオディーゼル燃料です。

 


 

琵琶湖条例施行

  • 昭和52年(1977年)5月

       琵琶湖に大規模な赤潮の発生

 

  • 昭和53年(1978年)8月

       「びわ湖を守る粉石けん使用推進県民運動」県連絡会議結成

 

  • 昭和54年(1979年)10月

       滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例(琵琶湖条例)制定粉石けん普及活動

 

  • 1980年頃〜 

       「琵琶湖条例」を契機に市町村による廃食用油回収の展開

 

  • 昭和55年(1980年) 

       無リン合成洗剤の発売

        〜1990年頃せっけん利用率の低下環境学習船「うみのこ」

 

  • 平成5年(1993年)

       滋賀県工業技術センター等による廃食用油燃料化実験の開始

 

  • 平成7年(1995年3月)

   第1号BDFテストプラントの設置 (滋賀県東近江市(旧愛東町))

 

  • 平成13年(2001年) 

       滋賀県内の小学生を対象とする環境学習の一環として近江鉄道バス

       滋賀県環境学習船「うみのこ」の燃料に

       バイオディーゼル燃料を10%混合で使用開始。

 

  • 平成16年(2004年)5月

       滋賀県東近江地域の8事業者12ガソリンスタンドにおいて、

       家庭から出る廃食用油の回収に着手。

 

  • 平成16年(2004年) 10月

       全国で初めてのバイオディーゼル燃料を使用した江若交通バス

       路線バス(エコバス)を運行開始。(近江鉄道(株)、江若交通(株))

 

  • 平成19年(2007年) 6月

      産学官と地域の連携によりバイオ燃料「ボディ・ラッピングバス」の運行を開始。

  (近江鉄道(株)、江若交通(株)、立命館大学、成安造形大学、松下電器産業(株))

 

 

バイオディーゼル燃料の品質基準について

バイオディーゼル燃料は、カーボン・ニュートラルという特性から地球温暖化対策に有効な手段とされています。しかし、バイオディーゼル燃料は、自動車用燃料として利用する場合、軽油と比べてゴム・樹脂を膨張・劣化させる、また、熱の影響により、酸やスラッジ(固まり)を発生しやすいといった化学的特徴があることから注意する必要があります。

また、バイオディーゼル燃料を高濃度で使用すると、排気ガス中のNOx(窒素酸化物)、PM(粒子状物質)、アルデヒド類が増加傾向となるなど、大気環境への影響が懸念されます。

このため、経済産業省では、バイオディーゼル燃料の特性を踏まえ、一般のディーゼル車での使用を想定した安全や環境等の面から問題が無いといえるバイオディーゼル燃料の性状を検証し、これらを満たした新たなバイオディーゼル燃料の規格(揮発油等の品質の確保等に関する法律施行規則)を平成19年3月31日より施行しました。

品質基準の考え方

バイオディーゼル燃料の特性

 

バイオディーゼル燃料は原料となる油脂が多様であること、製造過程の違いから、製品ごとに性状が異なっています。

 

そのため、軽油とバイオディーゼル燃料の混合比率に上限を定めるのみではなく、この上限値内で混合されるバイオディーゼル燃料に由来する成分に許容値等を設けることで、多様な品質を有するバイオディーゼル燃料が混合された軽油品質の適正化を図っています。

 

     

品質基準値

バイオディーゼル燃料混合軽油の品質基準

揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)施行規則において、自動車用燃料として軽油と混合して販売する際は、右表にある基準値をすべて満たさなければならないとされています。

 

この規格では、バイオディーゼル燃料の主成分である脂肪酸メチルエステルの混合割合を5.0質量%以下としていることから、一般的に「B5規格」と呼ばれています。

品格法の適用対象イメージ

   

 

 

     

     

   

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