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更新日:
2008年12月25日

平成20年度 第2回環境・ほっと・カフェ開催結果

  マイカーの利用が増えるにつれて、地域のバスは路線や便数が年々縮小し、市民の日常生活に不便が生じています。地球温暖化防止のためにも福祉の視点からも公共交通の果たす役割は重要ですが、地域の公共交通がきちんと機能していくためには、その活発な利用が求められます。公共交通としての滋賀のバスを活性化し、環境保全につなげるためには何が必要か、それぞれの立場から何ができるのかを考えました。 

 

■テーマ

しがに元気なバスを育てよう めざせ!地域公共交通の活性化
■日時

平成20年(2008年)11月15日(土曜日) 午後1時30分〜4時45分 

■場所 東近江市立能登川公民館 3階青年研修室・視聴覚室

■コーディネータ

近藤隆二郎さん(滋賀県立大学環境科学部 准教授、 NPO法人 五環生活 代表)

話題提供

滋賀県交通政策課 東村弘文さん
社団法人 滋賀県バス協会専務理事 樋口俊助さん
余呉町総務課 山根博行さん
彦根市交通対策課 矢守厚子さん
東近江市交通政策課 西澤宏文さん
村尾俊道さん(京都府総務課副課長・前交通対策課課長補佐、持続可能なまちと交通をめざす再生塾)

■主催

滋賀県

共催 東近江市
■企画運営 斎藤克彦さん(滋賀大学環境学習支援士実習生)

  参加したのは、環境や交通政策に関わる県と市の職員、バス事業者、交通政策に取り組む研究者、事業者、NPO、一般市民、地球温暖化防止活動推進員など、30名です。

 バス事業に関わる6名の方から話題提供をいただきました。

1.県内のバス事業の現状
 滋賀県交通政策課が、県内のバスの運行および経営状況と、県の補助金事業について紹介しました。
 (社)滋賀県バス協会からは、マイカーの普及や少子高齢化などで乗客が減少する中、安全・環境対策等の義務づけは厳しくなり、燃料高騰の影響もあって事業者が苦しい中で工夫しながらバスを運営している状況が報告されました。

2.三つの市町での取組
 それぞれの地域で取り組んでいるコミュニティバスやデマンド(予約乗り合い)型タクシーなどの事業の報告がありました。
(1) 余呉町は民間バスの撤退後、町の運営するバスが行き詰まり、町民を巻き込んで検討した結果、住民・事業者・町の協働による新しいバスの運行がこの11月から始まったところです。
(2) 彦根市は路線や運行形態を見直しているところで、10月からデマンド型タクシーを試行しながら、バスの運行について市民からアイディアを募り対話をすすめています。
(3) 東近江市はやわらかい発想で市民に親しみやすい「ちょこっとバス」と乗り合いタクシー「ちょこっと号」を運営し、利用者の増加と経費の削減を実現しています。

3.専門家からの話題提供
 「持続可能なまちと交通をめざす再生塾」の村尾俊道さんから、“強いサッカーチームづくり”に例えた、地域の公共交通を活性化するための考え方や先進事例を紹介いただきました。

 参加された皆さんにはバスの利用者も運行に携わる人も多く、バスを元気にしたいという共通の想いで、時間が足りなくなるぎりぎりまで意見が交わされました。

話題提供の様子      意見交換のようす   

  興味深い話題提供がありました              参加者からも多くの情報が提供されました

 

話し合った内容から

■地域交通を考えるための視点

 村尾さんは地域の交通を支えるための考え方として、次の点を提起されました。

1.地域の状況は地域の人が一番よく知っているので、交通については地域の人々が自分で考えるしか答えはない。地域の中で対話を重ねて自分たちで気づいていくこと。
2.問題は一人では解決できないので、地域のみんなでチームになって目標に向かい頑張ってゆくこと。戦略、戦術、指導者、チームワークが必要。
3.いま直面している問題、課題の根っこはいったい何かを考えて、対処療法的でない取組をすること。
4.バスを元気にすることは究極の目的ではなく、地域の人たちがそこに安心してずっと暮らし続けられることが本質的な目的。単に交通だけでなく、まちの構造が車を使わざるをえない環境になっているところをどうするか考えること。

 これをもとに、話題提供者や参加者それぞれの取組について意見交換していきました。

■地域の人たちとの対話

 余呉町は、住民とワークショップをする中でバスへの理解が深まり、バスに関心を持つ人も生まれて、新しい仕組みをスタートさせることができました。
 彦根市ではバスを楽しくするアイディアコンクールやワークショップを通じて、住民とのコミュニケーションをすすめています。
 東近江市も市民フォーラムで意識が高まって、コミュニティバスの運行が住民から肯定的にとらえられるようになり、まちづくり協議会の活動にもバスへの取組が取り入れられています。

 東近江市が職員の遊び心から生まれたアイディアをどんどん実現していき、ちょこっとバスがチョロQやお面、ブログなどの積極的なPRによって子どもや市民に好感を持って受け入れられ、バスを応援する市民が出てくるようになった状況には注目が集まりました。

■参加者からの事例紹介

●地域で活動されているNPOのメンバーからは、和歌山県田辺市本宮町で路線バスがなくなりそうになったときに、高齢者が立ち上げたNPOの活動によって地域公共交通のコミュニティビジネスが生まれたことが話されました。
 バスの運行者には、住民にバスの運行が本当に自分の問題だと思ってもらえるようにする仕掛けと、住民の要望の中身を正確にくみ取ることが必要になります。

●バス事業者の方からは、湖南三山めぐりやJR草津線の利用促進とあわせ、生活交通と観光交通の融合を図っていること、新名神の開通に合わせて中部地区から信楽に観光客を呼び込もうとするなど、利用者を増やすための様々な工夫が紹介されました。
 また、石川県野々市町のかわいいポンチョバス「のっティ」運行の工夫や、福井県敦賀市のJR直流化に合わせた市内周遊の観光バスなど、生活交通と観光の融合で乗客の掘り起こしが行われている事例が紹介されました。

●県交通政策課からは「北びわこ周遊観光キャンペーン」や「草津線利用促進キャンペーン」による観光と公共交通の振興の取組が紹介されました。

●滋賀県バス協会からは、環境問題、高齢化、観光と商店街振興、まちづくりなどの様々な視点からバスの必要性を住民に理解してほしいこと、企業や自治体にはマイカー通勤を考え直してほしいこと、市町による地域バスの活性化はコミュニティバスだけでなく既存のバス事業とも連携を考えてほしいという期待が話されました。

■公共交通の活性化はまちづくりから

  議論を受けて、村尾さんは、公共交通の活性化のためには単なる運動論ではいけないと指摘されました。
 そのためには、交通需要を束ね、使いやすい環境を整えて、利用者に選択肢を提供する必要があります。市町合併もチャンスとしてとらえ、人がたくさん来る施設がどこにあればいいのか、あきらめないで真剣に議論して取り組んでいく必要があると語られました。

■まとめ

 最後はコーディネータが、地域の人たちに細やかに耳を傾け、現場の状況を知ってはじめて新しい提案ができ、地域の支えにつながっていくことを確認し、こういう情報交換の場を継続して横の関係をつくり、互いの発展をめざしましょうと締めくくってカフェは終了しました。

■カフェを終えて

 平成19年(2007年)10月に「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が施行され、県内の7市町(彦根市、東近江市、余呉町のほか、大津市、近江八幡市、湖北町、高月町)が国土交通省「地域公共交通活性化・再生総合事業」の調査または計画実施に応募し採択されています。

 今や地域の公共交通はどこも経営が大変な状況で、事業者や行政が住民の生活のために試行錯誤しながら、地域にあった形を探っています。
 安心してずっと住み続けることのできる地域を実現する道具の一つが公共交通です。住みよい地域づくりのためには、私たちが何をめざしどんな暮らし方をすればよいのかをまず考える必要があります。
 バスだけでなくタクシー、鉄道、自転車、徒歩などをまちづくりの視点でトータルに考え、どう組み合わせるのか、地域の人を主役に、膝をつき合わせてともに交通問題を解決していくことの重要性を感じたカフェになりました。 
 

このページの情報についてのお問い合わせ

所属名:滋賀県琵琶湖環境部環境政策課環境学習支援担当(滋賀県環境学習支援センター)
電話:077-528-3497
ファックス:077-528-4848
メール:ecolo@pref.shiga.lg.jp

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