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更新日:
2012年5月14日

「琵琶湖流域水物質循環モデル」の構築について

 琵琶湖流域(陸域と湖内の双方を指す)を対象として、河川および琵琶湖内の水質を再現・予測することが可能なシミュレーションモデル「琵琶湖流域水物質循環モデル(Lake Biwa Basin Integrated Management Mode –Water Quality-l:通称LBIM –Water Quality-)」を、琵琶湖環境科学研究センターと琵琶湖政策課が中心となって構築しました。

琵琶湖流域水物質循環モデル構築の趣旨 

  • 琵琶湖の水環境の現状把握と評価
  • 琵琶湖の水質汚濁メカニズム解明
  • 琵琶湖の水質の中・長期的な将来予測
  • 対策効果の予測・評価

琵琶湖流域水物質循環モデル構築の背景

滋賀県では、琵琶湖の総合保全を図るために、マザーレイク21計画等に基づき下水道整備、河川水質浄化事業など多様な対策を実施しています。これらの対策の効果を評価するとともに、一層効果的な対策やモニタリングを進めることが求められています。このためには、琵琶湖を取り巻く流域環境の全容を把握し、対策の展開に伴う琵琶湖や流域ごとの水量・水質の変化を精度良く予測するモデルが不可欠です。しかしこれまでは、滋賀県独自のモデルが存在しなかったため、複雑化する水質変動の解析・評価や行政ニーズに応じた随時の対策評価等を行うことが困難でした。

以上の背景より滋賀県では、モニタリングと連携しつつ、各種対策が河川や琵琶湖の水質に与える効果を予測・評価することのできる「琵琶湖流域水物質循環モデル」の構築を、産学官連携のもとに進めてきました。 

琵琶湖流域水物質循環モデルの特徴

琵琶湖流域水物質循環モデルは、琵琶湖流域を一体として捉えたモデルで、陸域は0.5kmメッシュ、湖内は1kmメッシュ10層から成り、大きく分けて次の3つのモデルより構成されるモデルです。

  • 陸域水物質循環モデル:陸域における水物質循環(水量・水質)を再現・予測する
  • 湖内流動モデル:陸域水物質循環モデルの結果を受け、琵琶湖内の水温や流動を再現・予測する
  • 湖内生態系モデル:上記2モデルの結果を受け、琵琶湖内の水質を再現・予測する  

 滋賀県および関係機関が有する琵琶湖流域の水環境に関するデータを一元的に集約、データベース化し、モデルの運用・管理は滋賀県が行い、常に最新のデータや知見を取り込みながら対策やモニタリング計画への反映を進めていくこととしています。

なお、自治体でこのような陸域と湖内を一体に捉え、維持管理できるモデルを持つのは、全国でも滋賀県が初めてとなります。

琵琶湖流域水物質循環モデルの使用例

個々の事業が水質改善に与える効果を予測でき、政策決定の指標になります。湖沼水質保全計画やマザーレイク21計画など様々な計画策定のための基礎データとして使用します。滋賀県が独自に持つモデルであるため、常時に使用が可能です。

また、構築した琵琶湖流域水物質循環モデルとモニタリングを連携させることにより、水質の現状把握と解析を行っています。さらにこれらのプロセスで見出された課題に対応するためのモニタリングやモデルの改良、計画の策定、それに基づく対策の実施や評価に結びつけていくという、いわゆるPlan(計画)−Do(実行)−Check(評価)−Action(改善)サイクルの中でモデルを活用する取組を進めています。モデルに必要なデータを調査し、その結果からモデルを用いて要因分析や将来予測を行うことで、より効果的に現象解明や政策立案を支援することができるようになります。これまでも、この仕組みは水質汚濁メカニズムの解明調査などに活用されてきました。

琵琶湖流域統合管理モデル構築の経緯

平成17年度
  • 琵琶湖流域水物質循環モデル構築開始
  • 陸域水物質循環モデルの第一弾の完成
平成18年度
  • 湖内流動モデル・湖内生態系モデルの第一弾の完成
  • 第5期琵琶湖に係る湖沼水質保全計画の将来予測計算
平成19年度
  • 琵琶湖流域別下水道整備総合計画の将来予測計算
平成20年度
  • 難分解性有機物を考慮するためのモデル改良
平成21年度
  • 難分解性有機物を含めた陸域・湖内の現況再現計算(湖内有機物収支の推定)
  • 琵琶湖総合保全学術委員会における有機物収支計算結果の報告
平成22年度
  • 第6期琵琶湖に係る湖沼水質保全計画に向けた複数年連続計算のためのモデル改良
平成23年度
  • 第6期琵琶湖に係る湖沼水質保全計画の将来予測計算
  • 湖内流動モデル・湖内生態系モデルの層分割の詳細化

 

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