ホーム > インターネット知事室 > 県民のみなさまとの対話 > おじゃまします!知事です 第40回 やまなみ工房のみなさん

更新日:
2011年9月5日

県民のみなさまとの対話

おじゃまします!知事です

第40回 やまなみ工房のみなさん

今回は、やまなみ工房の皆さんと対話を行いました。

知的障害のある人たちの通所授産施設で、その人にあったテンポで興味や関心のある活動を行いながら、それぞれの目的や願いに応じた自立を目指し支援しています。

各自がそれぞれオリジナリティの高い、個性や感性が活かされるようなものづくりをする中で、個々の生きがいや充実感を一層深める取組を行っておられます。

活動班は6つあり、粘土や陶芸を中心とする「アトリエころぼっくる」班、療育活動を中心とした「ぷれんだむ」班、「たゆたゆ」班、さおり織りや布製品をつくる「こっとん」班、メンテンス清掃・内職作業の「もくもく」班、地域で喫茶店を営業する「かすたねっと」班となっています。

このほか、社会福祉法人やまなみ会では「アール・ブリュット・ジャポネ」展など、芸術、造形活動にも積極的に取り組んでおられます。 
 
 

《やまなみ工房の皆さんから》

造形活動の現状など

  • 1986年より障害者小規模作業所として3名の通所者からスタートし1992年より創作活動を開始する。その時代から来ていただいている方の作品の多くは施設の中で眠ったままで、なんとかこれを皆さんにお見せしたい。
  • 設立当時の甲南町には、障害者の高校卒業後の福祉的就労の場がない状態だった。年々重度の障害のある通所者が増え、働きたい、お給料が欲しいというより、自分らしく楽しく生きたいという願いが強く感じられる通所者が増え始め、1992年より創作活動を始めたが、当初は作品をどこへ持って行っても評価されない状況であった。それでも彼らは職員に信頼感を持ち、ありのままの自分を表現することに喜びを感じながら生きる営みの中で生活の一部として作品をつくってきた。施設にはもともと造形活動が得意な人が来たわけではなく、現在も様々な人がおり、日々生まれる芸術作品はもちろんだが、53人の通所者の生き様や人間性そのものがそれぞれすばらしい。
  • 苦労は感じないが、通所者の方が生き生きと自分の目標に向かっている姿が職員である私たちの喜びの一つになっている。作品を通じて、本人の喜びだけでなく、素敵な出会いやご家族の喜びにつながっているのもうれしい。とても私には同じモノはつくれないし、その人間性も学ぶことが多く尊敬している。皆さんと笑顔で過ごせることが楽しく、それを生き甲斐にしてがんばっている。泣いたり、笑ったり、お互いぶつかったりもすることもあるが、共に真剣に生きている感じがする。やまなみで働くことは私達にとっても生きがいである。一人一人の個性や気持ちを大事にすることを考えながらやっている。
  • 職員として彼らといっしょにいること自身が楽しい。通所者の方々が健康で豊かに穏やかに楽しく過ごせることに精一杯で、作品を社会に出していくことまで手が回らずに多くの作品が埋もれており、その作品を守る方法もわからない状況にある。行政や専門性のある方々に指導や支援を考えてもらえないか。
  • 国内はまだしも、海外へ作品を出していくとなると、成年後見人制度などの権利関係が難しく、施設の判断で簡単に作品を出展できない。地元甲賀市にも多大な支援をいただいているところではあるが、県にも作品や作家を正しく守るため権利関係でご支援やご指導をいただければありがたい。作品を通して彼らの生きる姿や真の人間性を知ってもらい、そして障害者のおかれている現状や障害者の正しい理解につなげ、彼らの人権を向上させなければならない。その為にも今後とも色々お知恵をお借りしたい。絵が上手な人、芸術性溢れる人だけでなく様々な才能や得意なことをもったいろいろな人がいる。彼らが私達や社会に生きるうえで大切なことを教えてくれると信じている。 
     

《知事から》

対話を振り返って

  • 障害は一つの個性だと思う。その個性の一つが作品に凝縮されている。滋賀県では、昭和20年代に障害者支援を始められた糸賀一雄さんたちの意志を受け継いで、障害者とともに歩む県政を行ってきている。
  • 作品が評価され世界に出ていけばいくほど、権利関係など作品に関する課題は大きくなっていき、それは作家一人ずつ違っている。現在成年後見人制度などの権利関係の研究会を行っており、世に出す仕組みづくりをしっかりしていきたい。
  • 滋賀の美の宝は3つある。1つ目は「アールブリュット」、障害ある人の心の中から溢れ出る作品。2つ目は「仏教」、滋賀にはよい仏様が一杯ある。3つ目は小倉遊亀さんなど「郷土の芸術家」である。これらを滋賀の美として美術館の中で見てもらえる場所をつくっていきたいと考えている。作品だけを切り離さずに「作品と施設」、「作品と皆さんの暮らしぶり」を行政がつないでいきたいと思っている。 


 

▲ このページのトップに戻る