ホーム > インターネット知事室 > 県民のみなさまとの対話 > 知事との対話 〜防災の現場を訪ねて〜 平成20年3月20日
- 更新日:
- 2009年10月15日


第10回 寺子屋力石のみなさん
平成21年3月20日 彦根市河原二丁目 寺子屋力石
今回の意見交換は、彦根市で木造伝統構法建物の耐震改修工事に取り組まれた「NPO法人彦根景観フォーラム」、「防災・耐震・まちづくりフォーラム」、「木造伝統構法彦根研究会」のみなさんと行いました。
彦根には古い木造伝統構法の建物が多く、そのような木造建物の耐震改修の実例として、研究会の活動拠点でもある「寺子屋力石」の耐震改修に取り組まれました。改修にあたっては、専門家や工務店の指導を受けながらボランティアの手により工事が行われるなど、専門家と市民が一緒に活動することにより、「自分の家の地震対策」をたててもらうきっかけづくりや地域のコミュニティづくりが図られています。
《みなさんからいただいた意見等》
耐震改修をとおして
- 今回の耐震改修は、協賛者による寄付やボランティアの労力によって実施された。
- 町屋の造りは、表の通りに対して直角方向には壁が多く耐震性があるけれど、通りに対して平行な方向は人の出入りがあるので壁が少なく地震に弱い構造となっている。そこで、今回は主に、通りに平行な方向の耐震化を行った。
- 既存建物の耐震補強工事では柱を動かせない。補強のための横材を入れるとき、既存の壁などがあると、ある一方向からしか仕事ができない。このような場合は「やといほぞ」のような伝統的な技法が必要となる。

- 耐震化の壁量計算は、固い壁や強い壁が何枚使われているかを計算する。柔らかさなど「木造伝統構法の長所」が数値に反映されず構法の良さを生かしきれない。
- 今まで古い建物は建て替えられる流れだったが、今は古い建物をいかに使っていくかという流れの中にある。このような伝統構法をいかに残していけるか、また守っていけるか、業界団体としても働きかけていきたいと思っている。

- 商店街として空き店舗を何かに使いたいと考えたときに、普通の店舗にするよりも伝統的な町並みを活かしたまちづくりをしていきたい。
- 我々の力だけではなく、いろんな人の力を借りながら、楽しみながら、まちづくりを続けていきたい。いろんな人に入っていただくことによって町の情報を発信していける。そして、いろんな人に来てもらえると「良い町でいたい」「元気のある町でいつづけたい」と思いが強くなる。

《知事メッセージ》
知事:
- 彦根市の花しょうぶ通りにある寺子屋力石は築250年といわれる建物ですが、最近はコミュニティ活動の拠点として利用されています。この古い伝統的な住宅を地域のみなさんが力を合わせて耐震改修されました。伝統的な家屋を耐震改修された実例は意外と少なく、昨年、先駆的な事例として内閣総理大臣賞を受賞されています。
- 県では住宅の耐震改修に様々な補助制度を設けており、耐震診断では約6,900戸の実績がありますが、その中で補助制度を活用して改修が行われたものは69戸、1%にとどまっており、補助制度を活用した改修が進んでいません。
- 耐震改修が進まない理由としては、家全体を改修するには費用がたくさんかかることや、改修後に評点1.0以上の強度がなければならないこと、部分改修や途中段階の改修には補助が出ない仕組みになっていることなどがあります。
(※ 評点1.0以上の強度:震度6強のゆれに対して一応倒壊しないと判定される強度)
- それに対し、改修後に評点1.0の強度が無くても補助をもらえないか、命を守る確率を高めるような部分的改修にも補助が設けられないかと提案をいただきました。
- 寺子屋力石を耐震改修する過程には、まちづくりに関わる地元のみなさん、大学の先生や学生、高等学校の先生や生徒、そして伝統構法を身につけている大工さんや建築士など、たくさんの人たちが関わっておられます。結果としては1軒の家かもしれないけれど、本当に多くのみなさんが力を合わせて完成され、人と人との人組を強くしています。
- 行政としても地震や水害に備えていますが、命を守る仕組みの中では自助・共助が7〜8割を占めます。やはり自分で守る自助、となり近所で守る共助が大事です。
(※ 阪神・淡路大震災では要救助者3万5千人のうち2万7千人(約77%)が家族や近隣者により救出されたといわれています。)
- みなさんのところにも同じような事例がたくさんあると思います。寺子屋力石の事例から多くのヒントを得て、それぞれの地域における伝統的な建物の耐震強化、そしてまちづくりにも活かしていただきたいと思います。

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