平成23年2月4日
改めまして、皆さんおはようございます。
本日、早朝からお集まりいただきありがとうございます。
平成23年度予算につきまして、本日公表させていただきます。私からは予算編成にあたっての基本的考え方、あるいは全体概要、そして主な事業について一時間余りいただきまして、説明をさせていただきます。その後係数関係など、総務部長のほうからご説明をさせていただきます。
まず、座って、パワーポイントをもとにご説明させていただきます。
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<パワーポイント資料> |
最初のページですけれども、23年度は新たな基本構想と行財政改革方針に沿って取り組む初年度の予算編成となります。昨年の7月、マニフェストで、県民の皆さんと「もったいないプラス」のお約束をさせていただきました。その150の項目をもとにしながら、あわせて7ページにありますけれども、県政世論調査、様々な県民の皆さんの要望、思いを反映させていただいて、そして予算編成の柱、「なぜ」というところに位置付けたわけでございます。そのような「なぜ」にいつも戻りながら、予算編成にあたりましては、今県民の皆さんが不安を抱えている、その様々な不安を払拭して、同時に未来に向けて希望が持てるような滋賀県づくりに貢献できる予算にしたいということにあります。特に、現在新たな基本構想を作成中でございますので、滋賀の未来戦略の考え方を踏まえまして、住み心地日本一の実現を目指したいと思います。これが基本方針でございます。
そのために8つの重点テーマを設けまして、優先的、戦略的な展開を図ることとしております。あわせまして財政的には大変厳しい時代です。これまで平成19年度に財政構造改革プログラムを策定し、20年度以降におきましても景気悪化に伴う県税収入の大幅な減収への対応など、収支改善に向けた取り組みを進めてまいりました。私、今回で5回目の予算編成となりますが、毎回毎回まず、歳出カットということで、大変大きな痛みを、県民の皆さん、市町また団体の皆さんにお願いをしてまいりました。それだけに予算の配分については、効果的、戦略的な配分としたわけでございます。具体的には、直近の経済動向、また国の中期財政フレームを踏まえまして、昨年に試算した財政収支見通しにおいては、平成23年度に190億円の財源不足が生じるものと見込まれました。これに対応するため、まず、県の中で、職員にいわば痛みを分かち合ってもらうという人件費の見直しを進め、その後、事業見直しに取り組むことといたしました。
さらに、予算編成にあたりましては、部局の枠にとらわれない、横断的な視点を常に意識をして、県政を取り巻く現場の課題に向けて県民の皆さんの生活現場に沿った願い、思いを活かすために、関係部局が共通の目標を持って取り組むとともに、部局間の緊密な連携を図ることによりまして、最小の費用で最大の効果を得られるよう徹底してまいりました。ここにおいては、国の縦割りが、ともすれば県の中の縦割りに反映、影響する、それを越えてあくまでも現場のニーズに最も適切に対応できる、そのような政策形成に意をくだいてきたところであります。3ページ目に当初予算の規模でありますけれども、一般会計4,984億円、昨年、前年度比38億円の増、率にして0.8%増となっております。22年度に引き続き2年連続で増額となっておりますが、これは国の補正予算に対応して積み立てた基金の関連事業を234億円計上していることがあげられます。
基金関連事業については、22年度は約173億円です。前年度比で61億円の増となっております。
基金を有効に活用し、雇用対策、地域医療の基盤整備、地域活性化に資する公共投資などの推進を図ることといたしました。
これら基金関連事業を除きますと、前年度比0.5%の減となっております。
それだけ厳しいということでございます。
また、特別会計は13会計合計で1,777億円、前年度比65億円の減、率にして33.5%の減となっております。企業会計は合計で305億円、前年度比22億円の減、率にして6.8%の減となっております。
次に4ページ、5ページ、財源不足への対応 でございます。先ほど申し上げました、毎年毎年この財源不足にどう対応するかということが大変厳しい、また皆さまからも批判をいただいてきたところでございます。
23年度190億円の財源不足が見込まれました。歳出において、申し上げました、まずは自分たちで痛みを受け止めるということで、人件費35億円、次に事業費25億円、合計60億円の見直しを行うとともに、昨年10月には市町はじめ関係機関の皆さんに事業見直し案をお示しし、ご意見をいただいてまいりました。また、歳入におけるやり繰りとしては、財源対策的な県債の発行を45億円想定するとともに、基金の取り崩しや、県有地の売却等によります歳入の確保、85億円と見込み、合計で130億円の対応を想定しておりました。これに対して、5ページの図でございます。23年度の当初予算における財源不足への対応、結果を示したものでございます。県税収入については、今年度前半までの景気回復を背景といたしまして、収支試算時の想定よりも増額となっております。一方で地方交付税と臨時財政対策債を合計した実質的な地方交付税の額は、想定額を下回った結果、財源不足額は209億円となりまして、見込みより19億円拡大することとなりました。
この財源不足への対応として、歳出の面では、事業見直し案に沿って、23億円の削減を行うことといたしました。なお、強いご要望をいただいていた項目として、例えば耐震シェルター普及事業については、金額を精査したうえで維持するなど、市町の皆さん等からのご意見を踏まえ、最終的な決断を行いました。これらを受け、歳入の面では基金を85億円取り崩すとともに、財源対策的な県債を44億円発行することなど、151億円のやりくりを行い、収支を均衡させました。
次に6ページをご覧いただきたいと思います。平成23年度は、私2期目に入りまして最初の予算編成でございます。現在策定中の次期基本構想に掲げます「未来戦略プロジェクト」に沿って、8つの重点テーマを設け、限られた財源の中にあっても、先駆的、戦略的な施策に重点化を図ってまいりました。滋賀の持つ3つの力、いつも申し上げております。人の力、自然の力、知と地の力を原動力としまして、次の8つの重点テーマを中心に基本構想の実現に向けた取り組みを進め、経済成長、モノや経済的、いわば数値に表れるような、経済的成果だけでなく、社会成長をも、もたらしていきたいと考えております。社会成長という言葉、耳慣れないところかもしれませんが、この基本構想、滋賀ならではの特色等と思っております。暮らしの質を高め、社会の質を高める。そのためには、人びとのつながりを再生し、支え合い、分かち合い、高め合える。そのような社会づくりを目指したいと考えております。
重点テーマの8つはこちらにございますが、7ページをまずご覧下さい。これは先ほど申し上げました、「なぜ」このような8つの重点テーマに絞り込んだかということのベースになっております県民の皆さんの声であります。力を入れて欲しい施策として、まず、何よりも医療、介護等提供体制の整備、一番上にございます。最も高い項目になっております。2つめが働きがいのある雇用、労働環境の創出、3つめが子どもが健やかに育つ環境作り、4つめが誰もが生き生きと暮らせる福祉社会づくりの順となっております。
このような、県政世論調査にまとめてあります要望というのは、私、昨年、いわば地域で茶話会を開かせていただいた中でも、同じように出された問題でございます。医療介護が一、二つめが労働環境、三つめが子ども、そして四つめが福祉社会づくり、ということです。
8ページをご覧ください。そのような「なぜ」をもとにいたしまして、重点テーマを組上げてきたわけでございます。
まず、重点テーマの最初の3つは、「人生の応援」ということで、そのうちの最初、子育て、子育ち応援でございます。今の日本社会の直面している少子高齢化問題、この背景には子どもが生まれ育ちにくいという、大変深い、根深い構造がございます。そういう中で具体的な事業として挙げております。まず、県の役割として医療人材の充実がございます。引き続き安心して出産できるような周産期母子医療センターの運営等に要する経費を補助しますほか、助産師が活躍する場の充実と、産科医の負担軽減を図るため、新たに助産師外来、院内助産所開設推進事業によりまして、病院内の助産師外来や、助産所の設置に必要な事業を経費として盛り込んでおります。
9ページの下半分に記載しましたように、本年の年間出生児数は約13,500人です。保育所の入所者は約1割を除きますと、12,300人がいわば在宅の乳児でございます。
県民意識調査の結果にもありますように、多くの方々が育児の孤立化による子育てへの不安感や負担感の増大を感じております。また本県の平成21年度の虐待相談件数の対18歳未満人口比率は、残念ながら全国1位となっております。
虐待相談のあった主な虐待者の70%弱が実の母親であります。腹を痛めた母親が手を上げざるを得ない、そのような子ども虐待による悲劇は何としても防がなければいけないと考えております。子ども虐待によります死亡事例、全国の例ですけど、0歳児の割合が約5割となっております。
こうした状況を踏まえまして、育児疲れや、育児不安を抱えた保護者が無料利用券を活用して、保育所等の一時預かりを必要なときに利用できるよう、新たに「ほっと安心子育て支援事業」によりまして市町の取り組みを支援してまいります。
もちろんこれだけが虐待の対応すべてではございません。大変難しい家庭内のまた母親の心理に関わる問題、あらゆる手を尽くさなければいけません。そのうちの一つの政策とご理解いただきたいと思います。また、この左の上、予算の話の中になかなか過去の成果ということは入れにくいんですけれども、こちらについては、私の就任以降、大変死産が多いと、全国でも最悪の状態でございました。それに対して、滋賀医科大学に寄附講座を作りまして、どうやったらこの死産を防げるかということで、滋賀県独自で妊娠リスクスコアによる啓発、それから救急搬送コーディネーターなどを拡充をしてまいりまして、周産期死亡率の低下を見ました。
これは小さいようですけれども、大変おなかに赤ちゃんを抱えたお母さんたちにとっては、大事な安心の材料であると、特に妊娠のリスクスコア、これは滋賀からはじめて全国に広めていきたいと思っております。
次10ページ目お願いいたします。子育てを支える次の柱が体験機会の充実でございます。滋賀県、ご存じのように山から川、水田、湖、大変奥深い自然環境があるわけです。こういう中で環境学習を総合的に展開をいたします体験的な環境学習推進支援事業を設けまして、幼児期からよちよち歩きの時代からの自然体験、これは大変重要でございます。自然体験型環境学習、また小学校におけるエコスクール実践などをまず調査をし、そしてその成果を見通していきたいと思っております。
滋賀ではこれまで「うみのこ」を進めてまいりました。それにプラスして「うみのこ」、「やまのこ」、「たんぼのこ」を一層強化していきたいということでございます。あわせまして、子どもたちの体験の中で、大事な文化芸術体験でございます。びわ湖ホールはじめ美術館、様々な文化芸術施設がございます。県内の子どもたちが本物の文化芸術を体験する機会を拡大をしたいと思っております。
また、県立高校づくりでございますけれども、魅力と活力ある県立高校づくりに向けまして、今の高校生の置かれている状況の中で、大事なのは何よりも確かな自己実現と考えております。社会が多様化し、中高生をとりまく環境が複雑になっている中で、まずは確かな自己実現を図りたいということで、その支援事業を設けまして、高等学校間の連携を図ることなどによりまして、体験的、問題解決的な教育活動の展開、あるいは外部講師による講座や技能講習を実施をいたしまして、研究成果を地域に拡大するとともに、地域振興に貢献できるよう高等学校を支援をしてまいります。
これまでともすれば、学校がエンクレーブのように地域から離れがちでございましたが、あくまでも地域に支えていただく高等学校、そしてまた、子どもたちが、学生たちが、様々な活動で地域に貢献できる、その太いパイプづくりをここでは目指していきたいと思っております。
次に11ページご覧をいただきたいと思います。重点テーマの2でございますけれども、県民の皆さんの医療、介護、1点目、2点目が、雇用、労働環境の改善ということがあげられております。ここの中で、まずは現場を見ますと、働きたいという意欲を持っているけれども、なかなか働けないという現実が出てきております。そのような中で,、重点テーマ2の全体像としましては、若者、女性、障害のある人や高齢者などが多様な働く場に参加できるよう「4つの橋」をかけて安定的な働く場に繋げる施策を行ってまいります。
この「4つの橋」というのは、今知事会のほうでも総合的な議論をしておりますが、それを援用したものでございます。まずは左でございます。子ども達に多様な職業教育や体験の場を提供することとしております。
ともすれば、これは全世界的な傾向の中でですけど、日本の子ども達は教育、学ぶことと将来の自らのキャリア、あるいは仕事を繋ぎにくいという国際的な傾向が出ております。そういう中で「おうみ仕事体験事業」では、小学生から中学校1年生までを対象に多様な仕事を紹介しまして、実際に仕事の一部を体験することにより、勤労観、職業間を自ら育もうとするものでございます。成長段階に応じた職業教育に繋げていきたいと思っております。
次に普通科におけるキャリア教育推進事業では、普通科の高等学校におけるキャリア教育、自分の将来どうなるのかということを推進するため、外部講師の積極的な活用を図りまして、指定校を設け、1,2年生を対象とした就業体験によりまして、望ましい勤労観、職業観を育成してまいります。
また、「伝統産業弟子入り体験推進事業」ですが、伝統産業、現場では若い人が不足をして困っております。そういうところに産地組合等が芸術系の大学生や高校生等、一定期間受け入れまして、本物のものづくり体験と研修課題に取り組んでもらい、産地後継者の育成を図るとともに、研修課題から生まれたアイデア等、今後の商品開発、改良に生かしていくものでございます。それから右下でございます。就職を希望してもなかなか就職できない若者が増えております。就職超氷河期と言われる厳しい現状の中で、何よりも若い人たちに支援をしたいというのがこの事業でございます。草津に設置されております、滋賀の三方よし人づくり推進センターとハローワーク機能を含みます、ヤングジョブセンター滋賀、また、滋賀県地域若者サポートステーション等の各支援機関を一体化いたしまして、おうみ若者未来サポートセンターを整備いたします。
このことによりまして、若年休職者に対してどのような支援であってもワンストップで提供し、相談から就職までの一貫した支援を行える体制を整備してまいりたいと考えております。
13ページには、若年休職者就職支援事業の内容を図示しております。その具体のところ、14、15ページ、13ページですね、これが若年就職者の総合支援の仕組みでございます。
何よりも国に対してハローワークの情報、また権限をきちんと現場に繋いでいただきたいということが、この下の部分でございます。これは知事会で強く強調しておりますハローワークの権限移譲ともつながるものでございます。
ともすれば、縦割りで成果が挙がりにくかったところに実質的な成果を挙げていきたいというのがこの事業でございます。
次に14ページをご覧いただきます。これは今の女性の就職、社会活動の状況を踏まえた政策でございます。いつも申し上げておりますように、問題といたしましては、M字カーブ、特に滋賀の場合は全国に比べてM字カーブがきつくなっております。子どもを産んだ女性の7割が滋賀の場合に仕事を辞めております。全国的には6割です。この比率は国際的に見ると極めて高い、つまり仕事か子育てかと、二者択一を迫られているのが日本の状況でございます。これに対して県としては、資格やあるいは意欲を持っておられるお母さんたちにしっかりと就労できるサポート体制を作っていきたいということでございます。あわせて人材不足の部分、介護、医療福祉、そこに対する人材発掘という意味もございます。そのような中で、今回は、女性の就労トータルサポート事業といたしまして、まず、就労相談、この部分も手厚くしていきたいと思っております。仕事するべきかせざるべきか、大変悩んでいるお母さんたちが多い。そういう中で、まずは就労相談窓口を充実をいたしまして、その時に子育ての両立に向けたアドバイス、あるいは一時保育の実施、求人情報の提供、職業紹介などの就職支援をワンストップでできるシステムを、県立男女共同参画センターに設置をいたします。仮称「滋賀マザーズジョブステーション」でございます。仮称ですけれども、このあと新年度に体制を整えまして、秋頃には開所したいと思っております。その全体イメージが15ページでございます。
また、さきほどの4つの橋の11ページですね、右端にありますハンデのある方に橋を架けるという事業です。ここでは、障害のある人に働く場を充実する施策を強化をいたします。社会復帰またその中で、今回、アールブリュット推進事業を一応ここに位置付けさせていただいておりますが、これはどちらかといえば横繋ぎの事業でございますので、福祉だけではなく文化芸術のところとも繋ぐ事業でございます。まずはこのアールブリュットの造形活動への参加、発表の機会を増やしまして、その魅力を県民の皆さんに広く知っていただくとともに、近江八幡に設置してあります、「ボーダレスアートミュージアムNOMA」が、アジアにおけるアールブリュットのネットワーク拠点となるよう調査研究、取り組みを支援するものです。また、本日、実は大津市内の民間ホテルですが、このアールブリュット展も開催しております。今週いっぱいでございます。フランスの方から市立美術館の館長さんはじめ、皆さんにお越しいただいておりますので、また、そちらの取材もよろしくお願いいたします。同時に社会復帰就労を目指す若年認知症対策事業では、若年認知症の人が社会復帰や就労を目指せるよう、若年認知症の方と家族に対して適切な支援を図るための企業や医療福祉関係者等による支援ネットワーク会議を開催するとともに、県民の皆さんの理解を深めるための普及啓発を行ってまいります。認知症については滋賀県は随分と先駆者として走ってまいりましたが、このところ少し出遅れがあるという意見もいただいておりますので、ここにつきましても、しっかりと重点化していきたいと思います。
次に16ページをご覧いただきたいと思います。人生編の3点目、重点テーマの3点目でございますけれども、県民の皆さん、多くの方が悩んでおられる人生の最後をどう、いわば、見送り見送られるのかという死に関わる課題でございます。これは昨年7月の選挙時にも訴えさせていただきました。「死の問題を政治や行政はタブーにできないんだ」と。その時にどういう政策が可能かということでございます。地域を支える医療福祉、在宅看取りということで16ページに全体を示しております。幸せな最後を迎えられる「終の棲家」づくりということで、個別の事業についてはここで申し上げませんが、背景を17ページに、なぜこのような事業行っているのか少しご説明させていただきたいと思います。現在、滋賀県内では毎年1万1千人の方をお見送りしております。高齢者が増える中で、特に団塊の世代、まあ私自身もそうですけれども、団塊の世代が寿命になった時代、2030年前後には、この1万1千人を約1万7〜8千人になるのではないかと予測されております。こういう中で、現在は8割が病院看取り、残りは自宅看取りですけれども、このまま8割を病院看取りでできるのか、何よりも当事者がそれを望んでいるのかが左の図でございます。これも様々な世論調査をしてみますと、県民の半数以上の方が自宅での看取りを望んでおります。望んでいるけれどもできない。そこをしっかりと支えようというのがこの在宅看取りの仕組みでございます。右下にありますように、既に、例えば米原市の旧伊吹町では、地域包括ケアセンター伊吹というところでこの事業を先駆的に進めていただいております。真ん中に、何よりも住民、家、みんな住民を置いております。ともすれば医療専門家を真ん中に置きがちなんですが、あくまでも住民を真ん中に置き、そこに医療や介護やそして看護という人たちがどう支え合っていけるのかという仕組みづくりでございます。これはある意味で社会成長の一つの方向ではないかとも思っております。
県として力を入れていきたい社会成長のひとつの例が子育てであり、そしてこの在宅看取りの仕組みでございます。
18ページには事業をあげておりますが、例えば地域医療育成の観点からは、医師、看護職員の確保のために、これまでの各種施策、取り組みと併せまして地域の医療関係者等が医学生のサポーターとなり、将来の地域医療の担い手を育てる取り組みを支援してまいります。
これも日本のというか世界の医学が専門化してきた、専門職のほうが上等だと思われていた医療の世界に対して、地域とつながる地域医療の担い手、これも大変大きな役割があるということを、しっかりと支えていきたい、そのような潜在的な地域医療に関わる人材育成の仕事でございます。
また、地域を支え繋ぐ医療専門職育成事業では、薬剤師、看護師など医師以外の医療専門職が必要となってまいります。そのような方たちを育成するような研修プログラムを策定しまして臨床能力の向上を図ってまいります。また、右上では在宅の体制整備でございます。在宅療養を支援します医療資源の整備、在宅における看取りの促進、また、誰もが住み慣れた地域で最後まで療養できる体制づくりの整備を進めるとともに、先ほど申し上げました認知症疾患医療センターの機能の充実、強化を図ってまいります。真ん中の下でございますけれども、疾病の早期発見、早期治療の支援といたしましては、成人病センターに中心をおきまして、遠隔診断体制整備事業を図ってまいります。現在滋賀県内で病理医が著しく不足しております。これはもう全国的な傾向でございますけれども、幸い成人病センターの方に大変お力のある病理の医師に就任をいただきましたので、その方たちを中心にして、県全体で精度の高い遠隔病理診断が迅速に行えるよう、病理医や病理担当技師、特に情報系の技師の育成を図りまして、遠隔病理診断体制の構築に繋げてまいります。ここは全国的にも先駆的な事業であると思っております。成人病センターのほうに詳しくお伺いしていただけたらと思います。
次に19ページをご覧いただきたいと思います。重点テーマ4では、環境対策の一つであります、低炭素化社会づくりを目指しているわけですけれども、この低炭素社会の実現に向けて体制整備、また家庭での温暖化対策、事業活動の低炭素化、その三つを柱に施策を推進することとしております。20ページをご覧下さい。取り組みの全体概要でございます。
これはもう今までも何度もお出ししておりますので詳しく申し上げません。
21ページについても今後、この2月議会に提案をいたします条例の概要でございます。また、23ページをご覧いただきますと、この条例の大きな特色といたしまして、行程表、2030年に低炭素社会、CO2半減を目指すために、この山に登るためにどういうルートがあるのか、それを示すのが行程表でございます。この行程表、様々な登り方があるわけではございますが、大きく6つの分野に分けております。生活分野、産業活動、交通運輸、新エネルギー、まちと建物、森林保全、そしてこの中をさらに細かく分けて190の項目にしております。そしてそれぞれの項目毎に20年間に何をいつまでにどれだけ実現するか、そのためにどのような財源、あるいは、公共投資が必要かということも行程表の中で積み上げておりまして、ここは全国的にも誇れる積み上げを今のところしていると思っております。
次に23ページですが、具体的な事業、少しご紹介したいと思います。
まず交通分野における低炭素化に向けた施策ですけれども、電気自動車普及促進事業では、環境性能が特に優れた電気自動車の普及を促進するために、充電インフラの整備、あるいは初期需要の創出に向けた取り組みを推進いたします。
また、滋賀交通ビジョン策定事業では、低炭素社会の実現に向けまして、交通というのは、まちづくりと大変深く関わっております。まちづくりも含めて、環境に配慮した交通体系をどのように構築していくのか、また国の交通基本法も策定されると聞いております。買い物難民、医療難民といった交通弱者に対する支援も含め、この交通ビジョン策定していきたいと思っております。
さらには、新名神高速道路の全線整備、リニア新幹線実現への動きといった、大きなマクロの交通環境の変化がございます。これに対応した本県の新たな交通ビジョンを中長期的に策定するため、調査、データの整理、分析、検討を行ってまいります。さらに生活交通セーフティネット事業では、地域の生活交通を確保するために、先ほどの医療難民、買い物難民解消に含めまして、市町による交通不便地における、デマンドタクシー等の運行、市町、NPO、住民団体等による地域の自主的な取り組みに対し支援を行ってまいります。左下は家庭での低炭素化の取り組みでございます。
時間がかなり迫っているということでございますので、家庭での温暖化防止、事業活動の低炭素化もそちらに23ページにあります。少し省略をさせていただきます。それから24,25につきましては、特に事業者の皆さんが大変心配しております。「県がこのような目標を立てると事業活動が阻害される」ということに対しましては、滋賀で初めて取り組みます事業、特に製造業の製品を評価するという仕組みでございます。24,25に製造断面だけでなく、車であるならば、例えば後の移動をする時にどれだけのCO2を出すのか、製造場面で3割、後の維持管理のところで7割と伺っておりますが、そういうところに対しても、効果は県内だけではなく、場合によっては国外にもたらされるわけです。そこも含めての評価づくりをしようということ、これも全国に先駆けて滋賀県が取り組むことでございます。
26ページをご覧いただきたいと思います。
「琵琶湖の再生」でございますが、大きな2つの柱、「健全な生態系と安全・安心な水環境の確保」ともう1つ、「琵琶湖と人の暮らしとの関わりの再生」を入れ込んでいきます。
これは、全体的には、「琵琶湖・淀川流域の管理」という広域の狙いともつながってくるものでございます。
27ページ、「マザーレイク21」は第2期目に入ります。先ほどのような、2つの柱を掲げまして、28ページには生態系の姿と将来の健全な姿、左側に、残念ながらさまざまな水の流れ、生き物の生存確保の流れが切断をされております。これをどうやったらうまくつなげていくかというのが、生態系の再生の仕組みでございます。戦後まもなくの内湖の干拓、あるいは埋立などから始まった60年間、ある意味で、「壊してきた」琵琶湖に対して、これは、しっかりとつないでいくというのがこの右側でございます。
また、南湖については、水草対策がいかに必要かということ、少し資料をいれさせていただいております。
29ページをご覧下さい。具体的な政策の中身、例えば、保全・再生の調査研究につきましては、3つの調査研究を進めてまいります。
琵琶湖の汚濁のメカニズムの解明ですが、これまで、排出量のカットをしてまいりましたが、排出量をカットしてもなぜか水質が改善しない。これはどうも「内部生産」という部分ですが、「内部生産」というものが、かなり大きいんだろうということで、この「水質汚濁メカニズム解明調査」を進めていきます。あわせまして、琵琶湖の深いところの低酸素化、これも温暖化とともに大きな懸念がございます。ここについても、琵琶湖の深呼吸が不完全になるとどういうことが起きるのかしっかりと調査を進めていきたい。また、「南湖生態系の順応的管理方法」では、南湖が抱えます水草の問題など含めて、これは「対処療法」ではなく、水位操作の改変まで含めて思い切った提言が求められております。
3つ目の「内湖再生検討事業」についてはビジョンを策定してまいります。30ページにその内湖の再生ビジョンのイメージを出させていただいておりますが、今、湖北エリアの早崎内湖でモデル的に始めておりますが、ここにつきましても、県下全域で、しかも、今ある内湖の機能をより強化する、これは予算的にも、「完全再生」よりも節約できるものでございます。今ある内湖の機能整備、そしてヨシ帯、ワンドのような、いわばエコトーンの機能を強化する、30ページ右下にございます。あくまでも、水の縦の流れに沿って移動している魚たちの産卵条件、これを確保しないと生態系の再生は成り立たないということを示させていただいております。
左下、29ページの左下ですね、オオクチバスの稚魚発生抑制事業など外来魚対策、また、右上には、「琵琶湖と人の関わりの再生」の事業でございます。「琵琶湖再発見事業」によりまして、琵琶湖博物館において、企業・団体等と協働して、琵琶湖を感じる機会を増やしていきたいということでございます。
また、マザーレイクフォーラムなどでも、ここは、フォーラムの立ち上げとともに、「順応的管理」、現場が変化をする、変化に即した管理体制を埋め込んでいくという仕組みでございます。さらに、「びわ湖の日30周年」は、大変エポックメーキングな年でありますので、この30周年を機に、琵琶湖の価値や「びわ湖の日」の意義を再認識して、これまで琵琶湖は、ともすれば「使用価値」に限定されがちであったところに、「存在価値」、「ふれあい価値」などをより強化をする、そのような取り組みをしていきたいと思っております。あわせまして、右には、関西広域連合の動きにあわせて、上下流の環境学習プログラム支援事業を行ってまいります。すでに今までもやっておりましたけれども、ここをよりはっきりと推進をしていくということを示させていただきます。
次に31ページでございますけれども、重点テーマ6、「滋賀の未来成長産業」でございます。ここにつきましては、成長戦略、主に経済面を2つの柱を入れておりますけれども、そのうちの前半部分が、「新たな分野への挑戦」と「グローバル化対応の支援」、また、「医療、福祉、介護、子育ての分野でのサービス拡大、創業支援」、あるいは、「地の利や知の集積を活かした成長戦略拠点の形成」などの観点から施策を推進してまいります。
32ページをご覧下さい。
滋賀県はものづくり県でございます。このものづくり県をより強化をする交通基盤整備、32ページにありますのが、バイパス整備、ターミナル駅、あるいは、スマートインターなどの整備、基盤整備を入れさせていただいております。あわせまして、33ページに新たな分野への挑戦といたしまして、左上、「てんびん棒中国へ渡る」、これは、今年度トヨタ自動車、また先週は大和ハウスさん、大企業に対して、県内中小企業の優れた製品、技術を直接売り込みました、「近江技術てんびん棒事業」の成果を踏まえまして、国外に、特に姉妹協定を結んでおります中国湖南省への販路拡大を推進するものであります。
あわせまして、「電池産業支援拠点形成事業」では、国内の大手電池メーカー、太陽電池等の部材を提供する県内企業に対しまして、開発力や競争力の強化を目的に、工業技術センターに評価設備を整備いたしまして、「電池産業支援拠点」を整備し、電池産業が主要産業として発展・集積するための支援を行ってまいります。あわせて、「水環境ビジネスの推進」では、官民が一体となりまして、これまで滋賀県が蓄積をしてまいりました、下水道技術、あるいは、水環境を保全しながらの水利用全体を視野に置きながら、企業や関係団体等によります研究会などを進めてまいります。そのためにも、基本的な調査研究分析も並行して行ってまいります。
滋賀県は関西広域連合での環境保全局でもございます。環境産業シフトは「関西シフト」でもあるというデータも33ページに示させていただいておりますが、低炭素社会づくりは、企業活動の足を引っ張るのではない。環境産業とこの低炭素社会づくりは、お互いにWIN、WINの関係にできるということも埋め込んでおります。
34ページでは、『「おこしやす」三方よし事業』などを含めて、どちらかというと、人のサービスを充実することで、先ほど来、育児、介護、福祉の人材不足という現実に対応をしていきたいというものでございます。
また、工場など現場の製造拠点の人たちの、特にですね、滋賀の大規模な工場につきましては、本社が県外にあり、現場は工場長が担っているというところが多くございます。工場長サミットなどを開催いたしまして、まさに人と人の力を強化しようというのがこの「工場長サミット」でございます。
また、「未来成長教典形成事業」では、近畿圏、中部圏、北陸圏の結節点であります滋賀の利点を活かしていきたいということでございます。大学の立地についても示しております。
次に35ページですが、ここは、重点テーマの7、滋賀が持っている潜在的な力をより一層引き出して、そして磨いて、発信をしていこうというものでございます。35ページに全体像を示しておりますが、その1つの柱が、「食のブランド化」でございます。「地産地消、食の消費拡大」では、滋賀県を代表します食材について、生産者団体と連携、協力によりまして県外における販路の開拓、拡大を進める「広めよう、おいしい滋賀発信事業」を行ってまいります。
また、近江牛については、国内だけでなく、輸出によって近江牛の新興を図っていこう、アジアを中心とする消費市場の拡大、富裕層の増加など魅力的な市場がアジア地域に形成されております。そちらに対して、直接輸出をする、そして、近江牛のブランドイメージを確立することを目的に、権利の保全も図ってまいります。
さらに、「食べることで、びわ湖を守る」。これまで、「環境こだわり」と言ってまいりましたけれども、食と環境こだわりをつなぐことによって、例えば、子どもたちの給食における地産地消、あるいは「うみのこ」における湖魚料理メニューの充実を図ってまいります。
次37ページですが、37ページにつきましては、観光の展開でございます。ここにつきましては、既に大河ドラマにあわせて準備をしてきたわけでございますけれども、大河ドラマ以降も含めて、滋賀が持っている本来の力をどのように発揮をしていくか、ここでは、「美の滋賀」発信事業といたしまして、アール・ブリュット、これまでご紹介してまいりました、これは滋賀の魅力をより広く発信をしていくテーマだろうと思っております。このアール・ブリュットの魅力を子どもたちに伝える教材を作成するとともに、懇話会、あるいはこのアール・ブリュットおよび近代美術館に関わる委員会を設置をいたしまして、「美の滋賀」の発信に努めてまいります。こちらですね、38ページに、「美の滋賀」の3つの柱を説明しております。一番左にありますこのアール・ブリュット、なぜ滋賀の発信なのか。昨日もフランスのアル・サン・ピエール美術館館長さんが来られておりましたけれども、何よりも、この日本の発信は、信楽焼の造形にあると。これは世界にないアール・ブリュットだと。信楽焼はなぜか。古琵琶湖で、200万年前、まさに、土を貯めた、その土ゆえに、自由にふんだんに素材があった。それで、昭和20年代から糸賀一雄さん、池田太郎さんたちが、その土に命を吹き込むということで、障害を持った子どもさんたち、今は大人はもちろんですけれども、とはぐくんできた、まさに自然の風土が生み出してきた芸術だということ、昨日、フランスの皆さんも強調しておられました。これは、外と接触して初めてわかる滋賀の強さかと思っております。
2つ目は近代美術館、平成26年に開館30周年を迎えます。近代美術館、今、来館者の減少など様々な課題を抱えておりますけれども、ここをしっかりと再生をしていくということ、そして3つ目は、仏教美術でございますが、ご存じのように、琵琶湖文化館は既に一般公開をせず、施設としても廃止をしております。しかし、その中にある近江の仏像たち、合わせて仏教が生まれたこの天台宗の本拠地であり、その真宗が広まった滋賀の仏教文化、仏教社会というものをつなげながら、ここも大きな、滋賀から発信できるものだろうと。ここを合わせて懇話会を設置をしていきたいというのは38ページの図でございます。滋賀県の潜在力を発掘をして、そして、磨いて発信をするという、その中から結果として県民の誇りを育てていきたいというかなり骨太の、また時間をかけて育てていかなければならない事業だと思っております。38ページでございます。
39ページ、ここにつきましては、8つ目のテーマ「みんなで命と暮らしを守る安全・安心」、既にここはもうずいぶんとご説明をしておりますので、短くさせていただきますけれども、40ページには、「危機事案の発生」に対して、地震、風水害、また新型インフルエンザなど新たな危機事案が起きております。それに対して、現在の県の拠点施設における大きな課題があります。ここを洗い出して、危機管理センター機能を検討していきたい。ハコモノを、今、どういうハコモノをということではなく、まずは「機能」を検討していくということでございます。あわせて、右側の基本計画策定事業も進めてまいります。
それから41ページにつきましては、犯罪の起きにくい社会づくり、また交通事故の防止など、いわば「不易」の事業でございます。
そして、42ページから43ページ、「流域治水」、ここはもう常々申し上げております。43ページの左側にありますが、滋賀発の5つの取り組み、これは全国でも最も先端的な取り組みだと思っております。何よりもこれまで個別の「施設の安全度」、ダムという施設、あるいはそれぞれの堤防を部分的に強化するというような個別の「施設の安全度」ではなく、「地先の安全度」をバロメーターとしている。ここは何よりも大きな発信であります。つまり、生活者の視点で命を守る、当たり前のことなんですけれども、この当たり前のことがなされてこなかった。そこに日本の戦後の河川行政の大きな隘路があったのではないかということで、ここを発信させていただきたいと思っております。
それから44ページ、「マザーレイク滋賀応援寄附」をずっといただいてまいりました。どういう事業に活用してきたのか、44ページ右下には、平成22年度の事業を列挙しております。「生き物のにぎわうふるさとづくり」、「ワタカによる南湖再生」、「こども環境特派員」、これはCOP10に派遣した事業です。それらを踏まえながら、新年度は琵琶湖博物館の「地域発見」、あるいは「ワタカ」、「魚のゆりかご」などさせていただきたいと。あわせて、「歴史的文化的資産」についても、左の下、「近江の名宝保存」について配分させていただきたいと思っております。
45ページ、「知恵だし汗かきプロジェクト」ですが、これはいわば、特別の事業予算は伴わないけれども、職員一人ひとりが知恵を出して汗をかくことで、きめ細やかな県民サービスを拡大するという仕組みでございます。合計113事業、主な取り組みを書いております。各部局でまたお聞きいただけたらと思います。
46ページ以降は、関西広域連合の今回の大きな7つの事業を左に入れておりまして、それに対して県ではどのような事業をするのか、いわば役割分担について述べているものでございます。
そして、国の出先機関からの事務移譲をなぜ図るのかということもこのような中で説明をしていきたいと思っております。
それから最後に、資料の2-2をご覧くださいませ。この2-2、1枚ものでございますけれども、昨年、県民の皆さんから約束をさせていただきましたマニフェストが、今回の事業にどう反映されているのかのまとめの図でございます。150項目につきましては、また企画調整の方で個別のものを持っておりますが、全体のまとめとして、主に予算で、今年度予算で対応したもの、まだ対応十分できていないものが一番右でございます。例えば、「社会のしくみ教育を学校、地域で進めます。」、「男女の出会いを支援します。」というようなことは、明示的に今回の予算には入れられていないというようなことでございます。
以上、少し時間をオーバーしてしまいましたけれども、私の方からの説明は終わらせていただきます。
なお、2月県議会の開会日であります、2月15日にこの詳細を説明させていただくことになっております。
[京都新聞]
今回の予算なんですけれども、国の基金事業とかを除けば、実質的にマイナスということで、借金の方もかなり押さえていらっしゃる、かなり手堅い印象を受けるんですけれども、いわゆる「緊縮型」というような理解をさせていただいていいのかどうかですね。それと、最後に示していただいたマニフェストの進捗状況の対応なんですけれども、かなりの施策数を盛り込まれてますけれども、改めてこの感想といいますか、予算がマニフェストの達成に与えるインパクトみたいなものをどういうふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
あわせて、今回、再選後初めての当初予算編成ということだと思うんですけれども、1期目に比べて何かお気持ちの変化みたいなものがありましたらお願いします。
まず、「緊縮型」です。本当に絞りに絞りました。これはもう各部局の担当者が一番苦労してもらったところでございます。プラスアルファの予算を付けていく時には、苦労が例えば1としたら、今までやっていたことをやめるとか、あるいは少なくしていくというのは、たぶん、人的エネルギーは5倍とか6倍、それくらい大変なものでございます。例えば、私も、ダムをやめる、新幹線の新駅やめる、廃棄物処分場やめると、1期目にいろんな「やめる」という事業、新幹線でも200億円の節約をするのにあれだけの、いわば社会的な課題を解決しなければいけなかったということで、本当に、緊縮財政で汗をかいてもらったというのが、正直な感想でございます。
2つ目のマニフェストです。マニフェスト自身、私もこの事業、県の財政がわかっておりましたので、150項目はお金を入れるハード事業は全くありません。本当にソフトのところで、社会成長を図りながら県民の皆さんの願いや思いが実現できるということをマニフェストに入れさせていただきました。
ですから今回、各担当者も、予算額ではなく、どうやって知恵を出して汗をかくのかということで、マニフェストの採用をしてもらいました。本当にたくさん反映をしようと県庁あげて力を入れてもらったこと、知事が職員にいわば感謝をするのはおかしいんですが、私は正直に本当に感謝を申し上げたいと思います。
3つ目でございますけれども、全体の感想としては、もう地域主権改革を進めるしかない、大変強い思いを持ちました。4年前も、「おかしな事業がいっぱいあるな」と、私は30年、琵琶湖政策、琵琶湖環境、研究に関わってまいりました。本当に、何でここにこんなたくさんのお金をいれなきゃいけないんだということを見てまいりました。それがより一層、今回4年間見て、「あっ、ここをこう直したら、霞ヶ関の縦割りの高コスト体質に対して、早く、安く、確実に成果が挙げられるんだ」ということが見えてまいりました。その一つが、例えば河川政策です。「ダムに頼らない流域治水」ということを4年間つめてまいりましたけれども、例えば1,000億円のダムに代わる30億の流域治水、土地利用をきちんと見直しながら、水防組織を備えて、そして、住民の皆さんに現実のリスクを知っていただいて、もちろん河川改修はやります。何よりも、河川の維持管理、木が生え放題、砂が溜まり放題、こんな放置をしてきた河川、全く私知事として恥ずかしいと思います。それに対して、10億、20億円入れたら大変改善される。ダムに何百億も入れなくていいというのが例えばの例でございます。
もう一つ、ハローワーク。今回ヤングジョブ、そしてマザーズジョブを強調すると言いました。本当に残念ながら、労働局だけでは現場の雇用のニーズに応えられないんです。ここは、私たちは、産業政策も持っております。中小企業の皆さんが、「人がほしい」という願いも見えております。中小企業は人がほしい。でも、就職を求める方は大企業ばっかり。ですから中小企業が1人求めても人は0.5人しか来ない。大企業が1人に対して、4.0。だからこんなにミスマッチが起きてるわけですね。例えばそういう現場を見ていきますと、このハローワークの権限、財源、しっかりと県に降ろしていただいたら、私たちは安く、早く、確実に成果を挙げられます。ということを、今回、予算の中に組み込めたかと思っております。しかし、今までにない事業でございます。現場の皆さんのとまどい、あるいは様々な壁は多いものと思います。それに対しては、あくまでも県民生活はしっかりと向上するというところで、市民だろうが県民だろうが「住民」なんです。市だろうが県だろうが住民の皆さんにとっては、一緒に力を合わせてやってくれたらいいというのが願いだと思います。そこをですね、市・町と協力をさせていただきながら、意を尽くして説明をさせていただき、この新しい新年度の予算に取り組んでいきたいと思っております。
少し長くなりましたけれども、3つ目は、4年間で私も学びました。そして職員との横つなぎの「重点化事業」というのは、かなりいろいろ工夫ができたと思っております。あとはどうやって実践するかというところ、できるかできないかではない。やるかやらないか。現場にニーズがあったらやるしかない、というのが私の決意でございます。
[朝日新聞]
今の質問にも関係する、最後の部分なんですが、2期目で初めての予算で今までできなかった、1期目にはできなくて2期目にこれでようやく打って出られるというふうにご自身位置付けていらっしゃるのが、この予算について、その性格について、2期目の予算というのは今までと違ってこういう部分なんだというところ、もう少しお話いただけますでしょうか。
1期目の時、「もったいない」と申し上げました。どちらかというと、今までにあるものを、いわば「高コスト」のものを「あきらめようよ、我慢しようよ」という形で事業の、いわば、見直し、凍結、中止などを提案いたしました。今回、「もったいなプラス」としたのは、まさに、それでも県としてきっちり投資しなければならない事業があるでしょう、と。もちろん、地方自治は市、町にもっともっと力をつけていただく必要がございます。そして、もちろん市、町も頑張っていただいておりますけれども、そういう中で、県として何を確実にやらなければいけないのかということを、厳選をしてきたのがこの8つの重点テーマです。そして、この8つの重点テーマを先ほども治水の話とあるいは就業の話をご説明しましたけれども、できるだけ税金負担かけずに最小の費用で最大の効果を得る。それが「もったいないプラス」の政策でございます。
[朝日新聞]
厳選された8つということなんですが、印象論ですが、8つって結構多いような気もするんですけれども、非常に多分野にわたってですね、この中の8つについて、知事の中で、厳選された中で優先順位というのあるんでしょうか。この予算についてですけれども。
これは、バランスを持っていかなければならないと思います。ですから、「人生編」、人の力を、そして「自然編」、自然の力を、「地と知の力」、産業振興、これは今回「美の発信」ということを入れましたけれども、ここのところが今まで見えにくかったかも知れませんが、私は滋賀というのは本当に潜在力がある、ほどほどの田舎性がありほどほどの都会性があり、これは今までどちらかですっていうと、揶揄されてバカにされてきた。それを、「違うでしょう。これだけの潜在力がありますよ。と、それを引き出して、磨いて、発信をする。ほどほどの滋賀の住み心地の良さを発信をする、そして、誇りを取り戻したい。もしエッセンスを言うとしたら、「滋賀の誇りを育て、取り戻したい。」ということですね。言うならば、「琵琶湖共和国」、「琵琶湖王国」ではないですけど、本当に、琵琶湖を中心にしたこの「琵琶湖共和国」の持つ、「琵琶湖王国」の持つ力をみんなで引き出して認め合って支え合おうよ。昨日も比叡山の延暦寺にフランスの皆さんをご案内いたしました。延暦寺は京都ではない、大津市、そして、延暦寺はもともと琵琶湖との関係で、坂本で生まれ育った伝教大師が琵琶湖を「天台薬師の海」と見立て、琵琶湖とともに生きてきたのが延暦寺だと。例えば、ことほどさように、仏教文化というのもそうです。天台の延暦寺の見えるところに見事な仏教文化の拠点を、それこそ1,200年の間に培ってきた、そういうものも「美の発信」というところで、きちんと入れていきたい。もし、新しいところと言われると、その「美の発信」、「美の発掘、発信」。これは、モノではないんです。例えば、仏像は個別のモノではないんです。仏様を生み出してきた滋賀の自然の風土。そして、それを維持、祈りの対象として守ってきた地域の住民の皆さんの社会的な絆、そういうものが、いわば、あの仏様の美しさを生み出しているんだ。そしてこの水の美しさ、水の豊富さということで、私はこの琵琶湖盆地文化というのは、自然と美がつながった大変奥深いものであると。世界に誇れるものであると思っております。それをきちんと発信をしないと、観光も発進力がありません。大河ドラマで「お江」が終わったらそれまでですか、ということにしてはいけない。ですから、あえて申し上げますと、近江の文化の力、自然の力を活かした形での「美の発信」ということにできると思っております。
[毎日新聞]
1点は知事に、もう1点は事務局の方にということになるかも知れませんけども、まず、4ページの「歳出抑制」について、昨年の当初予算の発表の際にも課題として掲げていらっしゃった部分として、横断的に事業を組み上げていく中で、歳出抑制をするという話がありました。で、先ほどの説明の中でも、最小費用で最大の効果を挙げていくという形の説明をいただいたんですけれども、この事業見直しの25億円の中で、例えば、どういったところで何をつないだことによって、どのくらいの効果が挙がったのかという例示をいただけたらと思います。それと、もう1点について、今年もワタカの放流事業など入っております。昨年の目玉事業の中の一つとして、ワタカの放流によって水草の繁茂を減らすというような事例がありましたけれども、実際、その事業の効果としてどういうものがあって、実際またこういう形で入ってますけれども、去年の積み上げた上での事業なのか、検証も踏まえて少し説明がいただけたらと。これは後ほどで構いませんので。よろしくお願いします。
総務部長の方で後で追加、補充の例があったら考えといて下さい。私の方で、「事業見直し」で、これは単年度ということではなくて4年間の中で見直してきた。例えばダムなど。400億円という、例えばですね、事業費を入れて、1か所だけの安全度、しかも5年も10年も15年もかかるということに対して、流域治水については、早く、安く、確実にということで、ケタが1つ少なく事業ができると。ですから今年は、去年と今年、河川の維持管理に随分お金を入れさせていただいておりますけれども、この維持管理も樹木を伐採することによって治水安全度が大きく上がるわけです。その部分を、いわば机の上で、河川計画やってきて、水量計算だけをしていたので、現実効果がなかなか挙がらなかった、ということですね。一つ典型で言いますと、姉川があります。姉川ダムに300億円入れましたけれども、下流、木1本切らずに放置してありました。それは、ずれてるんじゃないのかというようなことが、いつも言い過ぎなんですけれども、例えば、そういう形で効果の薄い大きなハードものは見直す、と。それと、今、クリーンセンターの検討会をやっていただいておりますが、このクリーンセンターについても見直しをして、今年度はすぐに予算の成果挙がらないかもしれませんけど、ここ1、2年の間にですね、毎年12億円も県が出えんしなければならない、この構造に対してもきちんと説明がつくように切り込みを入れたいと思っております。また、造林公社も事業見直しというよりは、過去の数十年の負債体質をしっかりと整理をし、今回、下流8割から9割、債権放棄いただきましたけれども、これも、ひとつの個別の事業ということではないですが、県政に対して、財政負担を軽減する動きになったのではないかと思っております。
[時事通信社]
国のヒモ付き補助金の一括交付金化が始まりましたが、それに関連する予算計上されていますけれども、知事として、一括交付金化が始まった予算編成にあたっての評価と、子ども手当の地方負担分拒否している自治体が全国で相次いでいますけれども、滋賀県は計上していると思いますが、そういう判断に至った経緯も教えていただけますでしょうか。
私は「ヒモ付き」じゃなくて「ロープ付き」と最近言っておりますが、「ヒモ」ほど簡単に切れない。ロープですね。しかも、それをつないでもらっている方がありがたいと思っている。お互いに持ちつ持たれつの「もたれ合い」構造なので、いかにこのロープが切りにくいかということを4年の経験で見ております。そういう中で今回、片山総務大臣がですね、思い切って5,000億円ほどの一括交付金化をなさるという、その理念と方向に対しては、一定評価させていただきますが、中を見ますと、初年度はまず全体の1割ということです。これがだんだん年度を経て上がっていくということですけれども、その1割の中を見ますと、国が指定した9項目の事業、それも今までの継続事業が中心ですので、例えばさっき言いました、「美の発信事業」やりたいと言っても入れようがないんです。ですから、ここはまだまだ、一歩踏み出したことは評価いたしますけれども、なかなか、もっともっと与党に頑張ってもらわないと成果は挙がりにくいのではないのかと。「ロープ付き」ということを発信させてください。
そして2つ目、子ども手当ですけれども、そういう中にあってですね、私、最初に申し上げました、今の日本の最大の構造問題は人口問題だと思っております。こんなに高齢者が増えて子どもが少ない。今、経済不況って言ってますけど、この経済不況の元はといえば、もちろん、あのリーマンショックの影響もあるでしょうけれども、こんな「逆ピラミッド」の社会で経済発展しようがないですよ。これは、藻谷さんという方がいつも言っておられます、私も藻谷さんの本など読んで「そのとおりだ」と。出遅れております。この少子高齢化の中で、平成元年の「1.57ショック」、一人の女性が1.57人しか産まないという時に、もっと、子育て、若者に配分をする政策をするべきだったと思います。もう20年出遅れてしまったんです。この20年出遅れた中で、若者、子どもにより多く配分しようとする民主党政権さんのマニフェストの精神は、共感を持ちます。そういう意味で、今回、この子ども手当についても負担をさせていただきます。理念には賛成します。ただし、実際にこの子ども向きの政策に、子ども手当、満額2兆6,000億円ですか、滋賀にそれをそのまま合わせますと、260億円、もっともっとサービスのところに回さしていただいたら、現場はこんなにひどい状態ではない。一方で、今回の児童の一時預かりの保育の問題で、保育士さんが不足している、待遇が悪い。こういうところにこそ入れたいんです。ですから、子ども手当の理念はいいけれども、行政の施策として、やり方が稚拙ではないですかと。私、新政権になってから、福嶋大臣にもずっと言ってます。子ども政策の行政サービスをもっと充実してください。そのためには、財源、権限、もっと現場に降ろしてください。保育ママの、それこそ保育ママだって、やりたい人はいっぱいいるんです。でも、例えば、6畳1間の空いた間がないとやらせない。これは今回、知事会で23項目特区申請をしました。全く検討もなしにバツ。返ってきました。ことほどさように、私は、残念ながら、子ども政策をもっと現場に財源、権限を降ろすということをしてくれないと、民主党さんの理念、そして少子化対策に人口構造として入れ込みをしていこうという理念は実現できないと思っております。ちょっと長くなりましたけれども、さまざまな怒りも含めて、ここは押さえながら。そのようなことでよろしいでしょうか。
[京都新聞]
1点、基金残高が、23年度末で特定を除いて18億円と大分厳しい状況かなと思うんですけれども、これを含めて、財政再建の現状と見通しというところをお伺いできますでしょうか。
基金残高は、主にこの資料1-1でいいですか。計数などは総務部長がご説明しますが、全体として、今、自治体で財政再建やれというのは、「死ね」というのに等しいくらい大変な状態です。一方で、扶助費、三大扶助費と言っているんですけれども、介護保険、後期高齢者、それと国民健康保険だけで毎年10%ほど上がっているんです。で歳入は、今のように厳しくなっている。ですから、このような中で、県があるいは独自に財政再建しろというのはほぼ「死」を宣告されるのに等しいというくらい厳しいということは申し上げます。そういう中にあっても、臨時財政対策債、これは、地方に、国に代わって借金しろとものですけど、「赤字地方債」と言われる、それを除いた県債残高は減らしてるんです。何ページでしょうか。金額出てきてますか。毎年毎年減らしてます。資料1-1の8ページの、実質的な県債は、私、お預かりして平成18年以降、7,508から7,100、400も減らしている。さっきのように毎年、毎年ですね、扶助費と言われるものが、1割ずつ増えて、扶助費だけで今年300億でしょうか、というような中で、毎年減らして、今、この4年間で400億近く減らさせてもらったということは、いかに市、町、団体、そしてそれぞれの現場で皆さんが協力をして「痛み」を分かち合ってもらっているかということだと思います。ここに、さまざまな不満がある。市、町の町長さんたちにも不満があるということはわかりますが、これは私のせめてもの財政再建を「もったいない」と言ってきた財政再建の一つの成果だと思っております。
一方で、この10年間に地方自治体はマイナス7.7兆円、歳出削減してきました。国は、プラス8兆円です。ザブザブと湯水のごとく、と。国は国でもちろん、整理するとこは整理しているんでしょうが、国家公務員の給与カットしてますか。もう事業仕分け、本当に痛いところに切り込みましたか。切り込むすべがないんです。現場を知らないと切り込むすべがないんです。だから、先ほど言いました、「もうダムつくりやめようよ。流域治水にしたら、1,000億が20億、30億でいけるんですよ。これ国にいくら提案しても国はまだまだダムを造りたいと。痛みがないからです。ある国土交通省の役人さんが、たった300億のダムでしょうって言いました。300億のダムって私たちにとっては、大変な額です。これも怒りを込めて申し上げたいと思います。本当に財政再建、大変な中で、皆さんが痛みを分かち合って下さったからこの8ページの下のようになった。全くハコモノはそういう意味ではできておりません。それが私の4年間で、これから、そういう意味では「美の発信」あるいは、さまざまな滋賀の潜在力を発揮するというところ、あるいは安全対策などは、少し投資的な事業もやりたいと思っております。